京都の紅葉が見頃になる時期が早い順にわかる最新スポット特集

秋の京都といえば、やはり紅葉です。
市内全域が赤や黄に染まり、古都の街並みと相まって絵画のような美しさを見せてくれます。
しかし紅葉の見頃は一斉にやってくるわけではなく、場所によって色づき始めるタイミングが異なります。
そこで今回は、「京都の紅葉が見頃になる時期が早い順」に、最新のスポット情報をカテゴリ別にご紹介。
早い時期から紅葉を楽しみたい方にとって、旅行やお出かけの計画が立てやすいよう、山間部から市街地、穴場スポットまで網羅しています。
紅葉の美しさを最大限に味わうためのヒントを、この特集でぜひ手に入れてください。

高地・山間部エリア（10月下旬〜）

比叡山延暦寺｜標高800mの早紅葉絶景

比叡山延暦寺は、標高800メートルに位置する京都と滋賀の県境にある世界遺産のお寺です。
高地にあるため市街地よりも気温が低く、京都市内よりも約2週間ほど早く紅葉が見頃を迎えます。
10月下旬から色づき始め、11月初旬には山全体が赤や黄色のグラデーションに染まり、秋の絶景が広がります。

境内は非常に広く、東塔・西塔・横川の三エリアに分かれており、それぞれで違った雰囲気の紅葉が楽しめるのも魅力です。
特に「根本中堂」周辺は荘厳な雰囲気と紅葉の調和が美しく、静けさの中に紅葉の色彩が映えます。
また、琵琶湖を望む展望台からの紅葉パノラマもおすすめ。空気が澄んだ日には、赤や黄に染まる山並みと遠くに広がる湖の青が絶妙なコントラストを描きます。

アクセスは、京都市内から叡山電鉄とケーブルカーを乗り継いで約1時間半ほど。
紅葉シーズンには混雑するため、朝早めの出発がおすすめです。
秋の比叡山は静かに紅葉を味わえる場所として、特に自然と歴史の両方を堪能したい人にぴったりのスポットです。

高雄神護寺｜京都屈指の山紅葉名所

高雄神護寺は、京都市右京区高雄にある真言宗の名刹で、紅葉の名所として名高い場所です。
標高約300mの山中に位置し、例年10月下旬から11月上旬にかけて美しい紅葉が見頃を迎えます。
特に神護寺へと続く石段の参道は、両側に紅葉が色づき「紅葉のトンネル」とも言われる絶景スポットとなります。

境内には樹齢数百年とされる大きなカエデの木が多く、赤や橙、黄色とさまざまな色が重なり合って、まるで自然が描いた絵のような光景が広がります。
また、神護寺の本堂から見下ろす紅葉も素晴らしく、山々の緑と混じることで奥行きのある風景が楽しめます。

このエリアは嵐山からバスでアクセス可能で、市街地に比べて人が少なめなのも魅力。
静かに紅葉を楽しみたい人にとって、まさに理想的な場所と言えるでしょう。
加えて、近隣には高山寺や西明寺など紅葉スポットが点在しており、1日かけての紅葉巡りもおすすめです。

貴船神社｜川沿いに広がる赤のトンネル

京都の奥座敷・貴船にある貴船神社は、清流・貴船川に沿って広がる風情ある神社で、紅葉の名所としても知られています。
標高が高いため、11月上旬から中旬にかけて紅葉の見頃を迎えます。
特に石段沿いに並ぶ灯篭と紅葉が織りなす景観は、絵葉書のような美しさ。ライトアップ時には幻想的な世界が広がります。

境内の中でも、本宮から奥宮へと向かう道中はまさに「紅葉の回廊」。赤や黄に染まるカエデが頭上を覆い、足元には落ち葉のじゅうたんが広がります。
写真スポットとしても人気で、観光客だけでなく写真愛好家にも愛される場所です。

アクセスは叡山電鉄の貴船口駅から徒歩約30分。貴船エリアは山間部で気温が低いため、訪れる際は防寒対策を忘れずに。
また、川床で有名な飲食店も多く、紅葉と一緒にグルメも楽しめます。
自然の中で静かに紅葉を楽しみたい人におすすめの一ヶ所です。

高地・山間部エリア（10月下旬〜）【続き】

大原三千院｜静寂の中で楽しむ早秋の彩り

京都市左京区大原にある三千院は、山深い自然の中に静かに佇む天台宗の寺院です。
紅葉の見頃は例年10月下旬から11月上旬と、市内中心部よりもやや早め。
山間の冷涼な気候により、ひと足早く秋を感じられるスポットとして人気があります。

三千院の最大の魅力は、庭園と紅葉の見事な調和です。
苔むす庭園「有清園」には、緑の絨毯の上に鮮やかな赤や黄色の落葉が舞い落ち、まるで日本画のような美しい情景が広がります。
また、庭園に佇むわらべ地蔵の可愛らしい姿と紅葉の対比は、写真映えスポットとしても大変人気があります。

境内は静かで落ち着いた雰囲気があり、都会の喧騒を忘れさせてくれる空間です。
参道周辺には湯豆腐やしば漬けなど地元の味が楽しめる食事処や土産物店も並び、のんびりとした時間を過ごすことができます。

アクセスは京都駅からバスで約1時間とやや距離はありますが、その分、観光客の数も適度で、ゆったりと紅葉を楽しむことができます。
自然と一体になったような紅葉体験ができる、まさに「心を整える」場所です。

鷹峯光悦寺｜市街地から少し離れた穴場

鷹峯（たかがみね）にある光悦寺は、京都市内から少し北へ外れた場所に位置する、静寂に包まれた紅葉の名所です。
元々は江戸時代初期の芸術家・本阿弥光悦がこの地に芸術村を築いたことから始まり、彼の美意識が息づく寺院です。
紅葉の見頃は10月下旬から11月上旬にかけて。市街地よりも少し早く色づくのが特徴です。

光悦寺の見どころは、竹垣「光悦垣」と紅葉の絶妙な組み合わせ。
緩やかな坂道の参道を歩きながら、赤く染まる木々と美しい竹垣が交互に目を楽しませてくれます。
また、複数の茶室が点在する境内は、静けさと風情が感じられる空間となっており、紅葉の中で心落ち着くひとときを過ごせます。

観光客が比較的少ないため、混雑を避けて紅葉を楽しみたい人にとってはまさに穴場スポット。
また、近隣には源光庵や常照寺といった紅葉名所もあり、鷹峯エリアをまとめて巡るのもおすすめです。

アクセスは京都市バスで「鷹峯源光庵前」下車すぐ。市内中心部からバスで約30〜40分とアクセスも良好です。
「静かな秋」を感じたい方に、ぜひ足を運んでいただきたい紅葉スポットです。

北部の名刹・自然系スポット（11月上旬〜）

常寂光寺｜嵯峨野の竹林と紅葉のコラボ

嵯峨野の小高い丘にある常寂光寺（じょうじゃっこうじ）は、紅葉と竹林が美しく交差する、嵯峨野屈指の紅葉名所です。
特に11月上旬から中旬にかけての紅葉の盛りは圧巻で、境内全体が真っ赤に染まり、まるで火の海のような美しさを放ちます。

この寺は、小倉百人一首の編纂者・藤原定家の山荘跡に建立されたという歴史を持ち、その風情ある立地も魅力のひとつです。
仁王門をくぐると、石段の両脇に広がる紅葉が出迎えてくれます。
境内の中心にそびえる多宝塔の周辺では、塔と紅葉の美しいコントラストが見られ、絶好の撮影スポットとなっています。

さらに、境内からは嵯峨野の町並みや遠くに広がる京都の山々を一望できる場所もあり、紅葉とともに風景も楽しめます。
静かに流れる時間と風に揺れる紅葉の葉音が心を癒してくれます。

嵯峨野竹林の道からも徒歩圏内で、嵐山観光の途中に立ち寄れるアクセスの良さも人気の理由の一つ。
紅葉のピーク時はやや混雑しますが、朝早めに訪れると落ち着いた雰囲気で参拝できます。

源光庵｜「悟りの窓」から見る紅葉の世界

京都市北区鷹峯にある源光庵（げんこうあん）は、「悟りの窓」と「迷いの窓」で有名な寺院で、紅葉の時期になるとその景観が一層映える場所として知られています。
特に11月上旬から中旬が見頃で、円形の「悟りの窓」から覗く赤や黄色の紅葉は、まるで額縁に入った絵画のような美しさです。

この「悟りの窓」は、調和と静寂を象徴し、四季折々の自然を切り取る枠としても設計されています。
紅葉の時期には、光と影が織りなす幻想的な風景が現れ、訪れる人々を静かな感動で包み込みます。

境内には枯山水庭園もあり、紅葉と苔のコントラストが実に見事です。
また、坐禅体験や写経などもできるため、心を落ち着かせたい人にはぴったりのスポットです。

アクセスは市バス「鷹峯源光庵前」から徒歩すぐ。観光客の間では穴場的存在ですが、紅葉シーズンはメディアでも取り上げられることが増えてきており、人気が高まりつつあります。
落ち着いた空間で、紅葉と心の静けさをじっくり味わいたい方におすすめです。

鞍馬寺｜山道を歩きながら楽しむ紅葉ハイク

京都市左京区にある鞍馬寺（くらまでら）は、山全体が境内となっているスケールの大きな寺院で、紅葉ハイクに最適なスポットです。
標高は約410mあり、11月上旬には境内全体が美しく色づきます。特に参道から本殿金堂までの道のりは、赤や黄色に染まる木々に包まれ、まるで紅葉のトンネルを歩いているような感覚になります。

鞍馬寺は牛若丸（源義経）ゆかりの地としても知られており、歴史ファンにとっても見逃せないスポットです。
ケーブルカーを使えば途中まで登ることができ、体力に自信のない人でも気軽に紅葉を楽しめます。

本殿金堂前の広場からは、京都市街を一望でき、紅葉とともに素晴らしい景色を堪能できます。
さらに、鞍馬寺から貴船神社へと抜ける「鞍馬〜貴船コース」は、自然の中での紅葉ハイキングとして人気のルート。
森林浴と紅葉を一緒に楽しめる贅沢な時間を過ごすことができます。

アクセスは叡山電鉄「鞍馬駅」から徒歩すぐ。登山道を歩く場合は、歩きやすい靴と防寒対策が必須です。
自然と紅葉、歴史に包まれた体験ができる、京都でも特別な紅葉スポットです。

宝筐院｜嵐山エリアの隠れ紅葉名所

嵐山エリアにひっそりと佇む宝筐院（ほうきょういん）は、混雑する嵐山にあって比較的静かに紅葉を楽しめる穴場的な存在です。
11月上旬から中旬にかけて紅葉の見頃を迎え、境内は赤や黄、オレンジの紅葉に包まれた幻想的な雰囲気になります。

小さな寺院ながら、その紅葉の美しさは嵐山随一とも言われており、庭園を歩くたびに視界が色鮮やかに変化します。
苔むした地面に赤い落ち葉が降り積もり、静けさの中に秋の深まりを感じることができます。
また、本堂から見える庭園の紅葉は、まさに「額縁庭園」と呼ぶにふさわしい光景です。

混雑を避けつつ、落ち着いて紅葉を鑑賞したい人には非常におすすめのスポットです。
近くには天龍寺や常寂光寺などもあり、紅葉巡りのルートにも組み込みやすいのも魅力のひとつです。

アクセスはJR嵯峨嵐山駅から徒歩約10分。喧騒から少し離れて、心安らぐ秋の時間を楽しみたい方にぴったりの場所です。

栂尾高山寺｜世界遺産で楽しむ自然美

京都市右京区の山間部、栂尾（とがのお）に位置する高山寺（こうさんじ）は、世界遺産にも登録されている由緒ある寺院であり、紅葉の名所としても知られています。
11月上旬ごろから紅葉が見頃を迎え、木々の葉が一斉に色づく境内は、訪れる人の心を静かに打ちます。

高山寺は、日本最古の漫画とも言われる「鳥獣人物戯画」の所蔵寺としても有名で、文化的価値も高いスポットです。
境内には多くのモミジが植えられ、赤や黄色の葉が苔むした石段や屋根に落ち、風情ある秋の風景が広がります。

人里離れた山中にあるため、観光客の数も控えめで、静かな環境の中で紅葉を楽しめるのも魅力。
寺の歴史に思いを馳せながら、ゆったりと散策する時間はまさに至福のひとときです。

アクセスは市バス「栂ノ尾」から徒歩約5分とやや距離はありますが、その分、自然の中での紅葉体験が特別なものになります。
静かで荘厳な秋の景色を求める方におすすめの、知る人ぞ知る紅葉の聖地です。

市内中心部・早めの色づき名所（11月中旬〜）

永観堂（禅林寺）｜“もみじの永観堂”と呼ばれる理由

「もみじの永観堂」の愛称で親しまれる禅林寺（永観堂）は、京都市左京区に位置し、紅葉の名所として全国的にも有名です。
例年11月中旬から色づき始め、下旬にかけて最盛期を迎えます。その名の通り、境内全体に多くのカエデが植えられており、まるで紅葉の海に浮かぶ寺のような風景が楽しめます。

特に有名なのは放生池（ほうじょうち）周辺。池に映り込む紅葉と、水面に舞い落ちる葉の風情は、まさに絵画のような美しさ。
また、本尊の阿弥陀如来像が横を向いた「みかえり阿弥陀」や、多宝塔からの京都市街の眺めと紅葉のコラボレーションも見逃せません。

紅葉シーズンには夜間特別拝観も実施され、ライトアップされた紅葉は昼間とは異なる幻想的な姿を見せてくれます。
照明に照らされた赤や橙の葉が、暗闇の中で鮮やかに浮かび上がる様子は、多くの人々を魅了します。

アクセスは地下鉄「蹴上駅」から徒歩約15分と便利。シーズン中は非常に混雑するため、早朝や平日の訪問がおすすめです。
「紅葉といえば永観堂」と言われる理由が、訪れればすぐにわかるはずです。

南禅寺｜水路閣と紅葉の名コンビ

南禅寺は、京都五山の上に位置する格式高い禅寺で、近代的なアーチ構造の「水路閣」と紅葉のコラボが有名です。
11月中旬から下旬にかけて紅葉の見頃を迎え、多くの観光客でにぎわいますが、その混雑を忘れさせるほど美しい景観が広がります。

境内には大小さまざまなカエデが植えられており、特に三門から法堂へと続く参道は紅葉のトンネルのよう。
陽の光が差し込むと、赤や黄の葉がきらきらと輝き、歩くだけで心が洗われるような気持ちになります。

また、南禅寺といえば「水路閣」が圧倒的な存在感を放ちます。
明治時代に作られたレンガ造りのアーチと、その下に広がる紅葉とのコントラストは写真映え抜群。
洋風建築と和の紅葉という異色の組み合わせが、多くの人の心を引きつけます。

アクセスは地下鉄東西線「蹴上駅」から徒歩約10分。永観堂と合わせての参拝コースもおすすめです。
荘厳な建築と美しい自然が融合するこの場所は、紅葉の美しさと歴史の深さを同時に味わえる貴重な空間です。

清水寺｜舞台から一望できる紅葉の海

京都観光の定番中の定番、清水寺は紅葉の時期にも外せないスポットです。
特に11月中旬から下旬にかけては、清水の舞台から眺める錦繍の景色が圧巻。まさに“紅葉の海”が広がります。

境内には約1000本以上のカエデが植えられており、境内全体が色とりどりに染まります。
舞台から下を見下ろすと、赤や橙、黄といった様々な色の紅葉が広がり、京都らしい風情ある町並みと見事に調和しています。
ライトアップ期間中は夜間特別拝観が実施され、夜空に浮かぶ紅葉の幻想的な美しさは、一生の思い出になること間違いなしです。

また、音羽の滝や三重塔周辺の紅葉も見応えがあります。紅葉だけでなく、寺院の建築美や自然との調和も堪能できるのが清水寺の魅力です。

アクセスは京都駅からバスで約15分、「五条坂」下車後、徒歩約10分。
紅葉シーズンは非常に混雑しますが、早朝や閉門前の時間帯は比較的ゆっくりと鑑賞できます。
誰もが知る観光地だからこそ、その紅葉の美しさは折り紙付きです。

真如堂｜三重塔と紅葉の絶景

真如堂（しんにょどう）は、京都市左京区の静かな住宅街にひっそりと佇む紅葉の名所です。
11月中旬になると境内のカエデが色づき始め、三重塔との美しいコントラストが訪れる人々の目を楽しませてくれます。

広い境内には自由に散策できる小道が多くあり、紅葉に囲まれながら静かに歩く時間は格別です。
三重塔の周辺は特に人気の撮影スポットで、紅葉が建物を包み込むように広がり、まるで絵画の中に迷い込んだかのような感覚を味わえます。

また、比較的観光客が少なく、地元の人々がゆっくりと散策している様子も見られます。
静かに紅葉を楽しみたい方や、写真撮影に集中したい方におすすめです。

境内にはベンチも多く設けられており、紅葉を見ながらのんびりと過ごすことができます。
アクセスは市バス「錦林車庫前」下車、徒歩約10分。哲学の道からも近いため、散策ルートに組み込むのも良いでしょう。
観光地の喧騒から少し離れて、心落ち着く紅葉時間を楽しめる穴場スポットです。

知恩院｜荘厳な境内に広がる紅のじゅうたん

東山区にある知恩院（ちおんいん）は、浄土宗の総本山として知られる名刹です。
紅葉の見頃は11月中旬から下旬にかけてで、広大な境内の随所で色づいたモミジを楽しむことができます。

特に有名なのは「友禅苑」と呼ばれる庭園で、整えられた芝と池のまわりを赤や黄色のカエデが囲み、風情ある景色を作り出します。
また、三門や大殿といった壮大な建築物と紅葉の組み合わせは迫力満点で、訪れる人々を魅了してやみません。

知恩院でも紅葉のライトアップが実施され、巨大な三門が光に照らされて浮かび上がる様子は幻想的そのもの。
昼間とは一味違った夜の美しさを堪能できるスポットでもあります。

アクセスは地下鉄東西線「東山駅」から徒歩約10分。円山公園や八坂神社とセットで訪れることができ、観光コースにも組み込みやすい立地です。
歴史と自然が融合するこの場所で、荘厳な秋の風景を味わってみてはいかがでしょうか。

市内南部・遅めだが早く色づく場所（11月下旬〜）

東福寺｜通天橋から望む紅葉の渓谷

東山区にある東福寺（とうふくじ）は、京都最大級の禅寺として知られ、紅葉の季節には特に多くの観光客が訪れる大人気スポットです。
中でも有名なのが「通天橋」からの眺望。谷をまたぐように架かる木造の橋から見下ろす渓谷の紅葉は圧巻で、まさに“京都紅葉の代名詞”とも言える光景です。

紅葉の見頃は11月中旬〜下旬。谷沿いに植えられた約2000本ものカエデが一斉に色づき、赤や黄、橙の彩りがまるで燃え上がるように広がります。
通天橋の上から見ると、紅葉の海の中に橋が浮かんでいるかのようで、息をのむほどの美しさ。写真映えも抜群です。

また、方丈庭園の枯山水と紅葉の組み合わせも見事。幾何学的な石庭に秋の葉が舞い降りる様子は、日本の伝統美と自然の融合を感じさせてくれます。

アクセスはJR奈良線「東福寺駅」から徒歩10分と便利。ただし紅葉のピーク時は大変混雑するため、朝の開門直後を狙うのがおすすめです。
紅葉の“王道”を体感したいなら、東福寺は外せない存在です。

伏見稲荷大社｜朱色の鳥居と紅葉の競演

全国に3万社以上ある稲荷神社の総本宮である伏見稲荷大社は、千本鳥居で有名な神社ですが、紅葉の名所としても密かに人気があります。
11月中旬〜下旬にかけて、山の中腹に位置する境内では美しい紅葉が楽しめ、朱色の鳥居との色彩の競演が訪れる人を魅了します。

特におすすめなのは、本殿から稲荷山の山頂へと続く参道の途中。
山道に沿って植えられたモミジが紅く染まり、朱色の鳥居と織りなす風景は京都ならではの風情が漂います。
観光客の少ない早朝や夕方には、より幻想的な景色が広がり、写真映えも抜群です。

また、稲荷山を登る過程で見られる京都市街を一望できるビュースポットも紅葉時期は格別。
山道を歩くため運動靴がおすすめですが、散策がてら紅葉狩りを楽しむには最適のコースです。

アクセスはJR奈良線「稲荷駅」からすぐ。京都駅からも電車で1駅と抜群の立地。
観光・信仰・自然美を一度に味わえる、唯一無二の紅葉体験ができます。

東寺｜五重塔を彩る紅葉の名所

京都駅の南に位置する東寺（とうじ）は、真言宗の総本山であり、世界遺産にも登録されている歴史ある寺院です。
ここでは、紅葉が11月中旬〜下旬にかけて見頃を迎え、特に五重塔を背景にした紅葉の光景が絶景として知られています。

境内には約200本のカエデが植えられており、赤や橙の紅葉が五重塔や講堂の荘厳な建築と調和して、まるで一枚の絵のよう。
五重塔の前にある池に映る逆さ紅葉も美しく、人気の撮影スポットとなっています。

また、紅葉シーズンには夜間ライトアップが開催され、塔や木々が水面に映り込む幻想的な光景が楽しめます。
昼間とはまた違った静けさと華やかさを感じることができるでしょう。

アクセスは近鉄「東寺駅」から徒歩10分、または京都駅から徒歩15分ほど。
京都駅から最も近い紅葉名所のひとつで、時間がない旅行者にもぴったりの場所です。
歴史の重みと秋の美しさが融合する、見逃せない紅葉スポットです。

醍醐寺｜紅葉の庭園美が楽しめる世界遺産

醍醐寺（だいごじ）は、京都市伏見区に位置し、豊臣秀吉が「醍醐の花見」を行ったことで知られる由緒ある寺院です。
世界遺産にも登録されており、秋には見事な紅葉が楽しめる場所としても人気があります。

特に庭園の美しさは格別で、三宝院庭園や霊宝館庭園では、カエデやイチョウが色とりどりに染まり、池や苔との調和が美しい日本庭園ならではの風景を演出します。
広大な敷地をゆったりと散策しながら、紅葉を全身で感じることができます。

また、五重塔を背景にした紅葉や、金堂前の紅葉も見応え抜群。
比較的混雑も少なく、落ち着いた雰囲気の中で紅葉を楽しむことができるのも大きな魅力です。

アクセスは地下鉄東西線「醍醐駅」から徒歩約15分。市内中心部から少し離れていますが、その分静けさが保たれています。
自然と歴史、庭園美のすべてを楽しめる、秋の京都を代表する名所の一つです。

城南宮｜庭園と紅葉の静かな調和

京都市伏見区の南端に位置する城南宮（じょうなんぐう）は、平安時代から続く歴史ある神社で、近年は「方除けの神様」としても信仰を集めています。
紅葉の名所としてはあまり知られていない穴場ですが、11月下旬から12月初旬にかけて美しい紅葉が楽しめます。

特におすすめなのは、境内にある「楽水苑」という回遊式庭園。池や滝、苔庭に囲まれた静かな庭園の中で、赤や黄に染まる紅葉が柔らかく彩りを添えています。
また、梅や桜の名所としても有名なこの庭園は、四季折々の表情を見せてくれますが、秋は特にしっとりとした趣があります。

他の名所に比べると観光客は少なめで、ゆったりとした時間が流れています。
混雑を避けて紅葉を楽しみたい方や、静かな神社好きにはまさにぴったりの場所です。

アクセスは地下鉄・近鉄「竹田駅」から徒歩約15分、もしくは京都駅からバスでアクセス可能。
知る人ぞ知る紅葉スポットとして、密かに人気が高まりつつある場所です。

穴場＆ライトアップが魅力のスポット

北野天満宮｜人混みを避けたライトアップ穴場

学問の神様として知られる北野天満宮は、梅の名所として有名ですが、実は秋の紅葉も見逃せません。
特に11月下旬から12月上旬にかけて、「もみじ苑」と呼ばれるエリアで美しい紅葉が見頃を迎えます。

もみじ苑は境内の東側に広がる庭園で、約350本のカエデが植えられており、朱塗りの楼門や社殿と見事に調和した紅葉風景が楽しめます。
また、シーズン中には夜間ライトアップが行われ、水鏡のような小川に映る紅葉や、浮かび上がる木々のシルエットが幻想的な世界を演出します。

意外と混雑が少なく、京都市内中心部からのアクセスも良好なため、夕方からゆっくり紅葉を楽しむにはうってつけ。
境内には出店も並び、温かい甘酒や和菓子を味わいながらの紅葉鑑賞も風情があります。

アクセスは市バス「北野天満宮前」すぐ。京都駅からバス1本で行ける手軽さも魅力です。
有名すぎないからこそ、ゆったり楽しめる“知る人ぞ知る”紅葉スポットです。

将軍塚青龍殿｜京都市街を一望できる夜紅葉

東山の山頂に位置する将軍塚青龍殿は、比較的新しい観光スポットですが、京都市街を一望できる絶景と紅葉のライトアップが話題となっています。
見頃は11月中旬〜下旬で、夜の静けさの中、赤や黄に染まった木々がライトアップされる様子は幻想的そのものです。

特に注目なのが、約220畳という広さを誇る青龍殿のウッドデッキからの眺望。
紅葉越しに見える京都タワーや市街地の夜景は息をのむ美しさで、京都の夜を締めくくるにふさわしいスポットです。

さらに、青龍殿には平安神宮の本殿を移築した木造建築や、国宝の不動明王像など文化的な見どころも多く、紅葉と合わせて見学できます。
通常は昼間も営業していますが、紅葉シーズンには特別夜間拝観が実施され、昼夜どちらでも違った魅力が味わえます。

アクセスは蹴上駅からタクシーまたはシャトルバス利用が便利。
ややアクセスは限られますが、その分、特別感のある体験ができます。夜の京都を贅沢に楽しむなら、外せないスポットです。

妙心寺退蔵院｜枯山水庭園に浮かぶ紅葉

京都市右京区の妙心寺の塔頭のひとつである退蔵院（たいぞういん）は、枯山水庭園と紅葉の美しさが静かに調和する、隠れた名所です。
紅葉の見頃は11月中旬〜下旬。混雑が少なく、落ち着いた雰囲気の中で紅葉を楽しめるため、知る人ぞ知る穴場スポットとして注目されています。

退蔵院は、国宝の「瓢鮎図（ひょうねんず）」を所蔵することで知られ、文化的価値も高い寺院。
庭園「余香苑」では、池と枯山水、そして紅葉が見事に調和し、まるで時が止まったかのような静けさを味わえます。

紅葉は苔の緑と絶妙なバランスで調和しており、晴れた日はもちろん、雨の日にもまた違った風情があります。
また、秋限定で庭園に面した茶室からお抹茶をいただけるサービスもあり、紅葉を眺めながらの一服は格別です。

アクセスはJR花園駅から徒歩8分ほど。妙心寺の他の塔頭寺院とあわせて訪れるのもおすすめです。
派手さよりも静かさと美しさを求める大人の紅葉スポットです。

随心院｜地下鉄で行ける穴場紅葉名所

山科にある随心院（ずいしんいん）は、地下鉄でアクセス可能な立地ながら、観光客が比較的少ない穴場の紅葉スポットです。
11月中旬から下旬にかけて見頃を迎え、広々とした境内が赤や橙に染まる様子はまさに秋の絵巻のようです。

随心院は、平安時代の女流歌人・小野小町ゆかりの寺としても知られ、美しい庭園や襖絵などが見どころ。
特に本堂前の庭園では、紅葉が苔庭と見事に調和し、風情ある京都の秋を感じられます。

境内にはベンチもあり、のんびりと紅葉を眺めながら過ごすのに最適。
また、小町化粧井戸や文塚など、歴史的な見どころも多く、散策しながら自然と文化に触れることができます。

アクセスは地下鉄東西線「小野駅」から徒歩約5分と非常に便利。
市街地から気軽に訪れられるにもかかわらず、静けさと美しさを併せ持つスポットとして、密かに人気が高まっています。

渉成園（枳殻邸）｜京都駅近くの静かな紅葉庭園

渉成園（しょうせいえん）、別名「枳殻邸（きこくてい）」は、東本願寺の飛地境内地として知られ、京都駅から徒歩10分という好立地ながら、静かで穴場的な存在の庭園です。
紅葉の見頃は11月中旬〜下旬で、池泉回遊式庭園の中に赤や黄のモミジが柔らかく広がります。

庭園内には複数の橋や東屋があり、そこから眺める紅葉風景はまるで一幅の日本画。
特に「侵雪橋」や「印月池」周辺は紅葉が密集しており、写真映えスポットとしても人気です。
観光客も比較的少なく、のんびりと紅葉を楽しむには絶好のロケーションです。

庭園内は歩きやすく整備されており、高齢の方や小さなお子様連れにも安心。
都会の喧騒を忘れて静かに紅葉を眺められる貴重な空間です。

アクセスは京都駅から徒歩約10分、または市バス「烏丸七条」下車すぐ。
新幹線までの待ち時間にも立ち寄れるほどの立地の良さで、観光の締めくくりにもぴったりです。

まとめ

京都の紅葉は、地域ごとに色づくタイミングが異なります。
今回ご紹介したように、高地や山間部では10月下旬から、市内中心部や南部では11月中旬〜下旬が見頃となるため、旅行やお出かけのスケジュールも組みやすくなります。

また、ライトアップや穴場スポットを狙えば、混雑を避けながら紅葉の美しさをじっくり堪能することも可能です。
比叡山延暦寺や高雄神護寺のように自然に包まれた場所から、清水寺や永観堂といった定番スポット、そして渉成園や退蔵院といった静かな穴場まで、京都には紅葉の魅力が満載です。

紅葉はその年の気候や気温によって見頃が微妙に変わるため、事前に公式サイトで最新情報を確認しておくのが安心です。
この記事を参考に、ぜひ自分だけの紅葉プランを立てて、秋の京都を満喫してください。