京都の秋といえば、やはり「紅葉」。赤く染まるモミジ、オレンジに輝くイチョウ、黄金色の光に包まれる山寺の景色は、まさに日本の美そのものです。
中でも「京都紅葉が綺麗なお寺」で過ごす時間は、ただの観光を超えた、心の贅沢。
この記事では、静寂に包まれた隠れ寺から、有名な紅葉の名所まで、カテゴリ別に厳選したお寺をご紹介します。人混みを避けたい方にも、写真を撮りたい方にも、アクセスを重視したい方にもきっとぴったりの場所が見つかるはず。
京都で、自分だけの秋の絶景に出会いに行きませんか?
静寂に包まれる癒しの寺
曼殊院門跡(まんしゅいんもんぜき)
京都市左京区にある「曼殊院門跡」は、比叡山の麓にひっそりと佇む天台宗の門跡寺院です。訪れる人も比較的少なく、紅葉の季節でも混雑が少ないのが魅力の一つです。紅葉の見頃は例年11月中旬〜下旬で、境内に広がるカエデが鮮やかに色づき、白砂の枯山水庭園とのコントラストが息をのむほど美しい光景を生み出します。
特に書院から眺める庭園は、まるで一幅の絵のようで、静寂の中に秋の深まりを感じられます。苔庭と紅葉が同時に楽しめるスポットとしても知られており、苔の緑と紅葉の赤や橙のバランスは圧巻です。境内には狩野派による障壁画や襖絵も残っており、紅葉だけでなく芸術にも触れられる落ち着いた空間が広がっています。
アクセスは叡山電鉄「修学院駅」から徒歩約20分。少し距離はありますが、そのぶん観光客が少なく、まさに「静けさに包まれる」秋のひとときを過ごすにはぴったりの場所です。
詩仙堂(しせんどう)
「詩仙堂」は江戸時代初期の文人・石川丈山が隠居のために建てた山荘で、現在は紅葉の名所としても高い人気を誇っています。場所は左京区一乗寺にあり、叡山電鉄「一乗寺駅」から徒歩15分ほど。観光の中心地から少し外れているため、落ち着いた雰囲気が保たれています。
ここの紅葉の特徴は、建物の中から眺める額縁のような庭園の景色です。静かな和室に腰を下ろして、紅葉に染まる庭園をゆっくりと眺めていると、まるで時が止まったような感覚になります。「ししおどし」の音が響く中で、深まる秋を全身で感じることができます。
庭園内のモミジは真っ赤に染まり、苔むした地面との対比が美しく、写真好きにも人気のスポットです。紅葉のピークは11月中旬で、朝の光が差し込む時間帯が特におすすめです。
圓光寺(えんこうじ)
「圓光寺」は、1601年に徳川家康によって創建された歴史ある寺院で、左京区一乗寺にあります。ここもまた、詩仙堂と同じエリアにあり、あわせて訪れる人も多いです。紅葉の名所として知られており、特に「十牛之庭(じゅうぎゅうのにわ)」と呼ばれる庭園は京都でも有数の絶景スポット。
庭園は苔とモミジの調和が美しく、赤・黄・橙に染まる紅葉がまるでパッチワークのように広がります。運が良ければ、落葉した紅葉が苔の上に舞い降り、幻想的な「散り紅葉」も楽しめます。建物の縁側に座って眺める景色は格別で、心が落ち着く時間を過ごせます。
また、境内には竹林もあり、紅葉と竹という京都らしい組み合わせが見られるのも魅力の一つ。撮影スポットとしても人気で、インスタ映えする写真が撮れると評判です。
退蔵院(たいぞういん)
退蔵院は、妙心寺の塔頭寺院の一つで、庭園「余香苑(よこうえん)」が特に有名です。こちらの庭園は、昭和の名庭師・中根金作によって作庭され、紅葉と池の景色が調和した絶景が広がります。
秋には池の水面に紅葉が映り込み、まるで絵画のような光景を楽しむことができます。庭園内の遊歩道を歩くと、角度によって違った紅葉の景色が見られ、何度訪れても飽きない魅力があります。紅葉の時期は11月中旬〜下旬で、夕暮れ時に訪れると、日差しに照らされた紅葉が輝き、一層幻想的になります。
観光客が多すぎないこともあり、落ち着いた空間で紅葉を楽しみたい人にはうってつけのスポットです。場所はJR「花園駅」から徒歩約10分とアクセスも良好。
宝泉院(ほうせんいん)
大原エリアにある「宝泉院」は、紅葉と額縁庭園で知られる天台宗の寺院です。特に「盤桓園(ばんかんえん)」と呼ばれる庭園を座敷から眺めるスタイルが人気で、縁側に座ると、まるで一枚の日本画の中に自分が入り込んだような感覚になります。
庭園には樹齢数百年の五葉松が立ち、その奥に色づいたモミジが広がります。静けさの中に風の音や鳥の声だけが聞こえ、日常の喧騒を忘れて心が洗われるようなひとときを過ごせます。
また、拝観の際にはお抹茶と和菓子がいただけるのも嬉しいポイント。心も体も温まる、大人の秋の贅沢な時間を楽しめる場所です。アクセスは京都駅からバスで約1時間とやや遠めですが、それだけの価値があると評判です。
歴史と紅葉が融合する古都の名刹
清水寺(きよみずでら)
京都を代表する観光名所「清水寺」は、紅葉の季節にも圧倒的な存在感を放ちます。特に「清水の舞台」から眺める錦織りなす紅葉の海は、一生に一度は見たい絶景として有名です。境内には約1000本以上のモミジが植えられており、11月中旬から下旬にかけて見頃を迎えます。
夜間にはライトアップも行われ、昼間とはまったく違う幻想的な雰囲気に包まれます。清水寺の歴史は約1200年に及び、舞台や三重塔、音羽の滝など見どころも豊富。紅葉と歴史建造物が織りなす風景は、まさに「古都の秋」を象徴する風景です。
ただし、非常に人気のスポットであるため、朝早くの拝観が比較的空いていておすすめです。アクセスは京都駅からバスで約15分、五条坂下車後徒歩10分。紅葉と歴史の美を同時に楽しみたい方には外せない名所です。
永観堂(えいかんどう)
「秋はもみじの永観堂」とまで称されるほど、紅葉の名所として知られているのが永観堂です。正式名称は「禅林寺(ぜんりんじ)」で、浄土宗西山禅林寺派の総本山。平安時代からの長い歴史を持ち、阿弥陀如来立像(みかえり阿弥陀)でも有名です。
境内には約3000本のモミジがあり、秋になると境内全体が紅色に染まります。特に放生池に映り込む紅葉や、多宝塔へ続く石段からの眺めは絶景です。ライトアップ時には紅葉が水面に映り、まるで夢の中にいるような感覚を味わえます。
永観堂は東山エリアに位置しており、南禅寺や哲学の道と合わせて訪れるのがおすすめ。アクセスは地下鉄「蹴上駅」から徒歩約15分。紅葉の王道ともいえる場所で、京都紅葉の真髄を感じられるスポットです。
南禅寺(なんぜんじ)
日本三大門の一つ「三門」で知られる南禅寺は、紅葉の名所としても根強い人気を誇ります。特に紅葉シーズンには、三門から眺める境内や、レンガ造りの水路閣と紅葉の組み合わせが見どころです。写真映えするスポットとしても多くの観光客に親しまれています。
南禅寺は臨済宗南禅寺派の大本山で、1291年に創建された由緒正しい寺院です。広大な敷地内には、多くのサブ寺院や庭園もあり、散策するだけで心が洗われるような感覚になります。紅葉の時期は11月中旬〜下旬がベストで、鮮やかな赤やオレンジに染まる景色は圧巻の一言です。
アクセスも便利で、地下鉄東西線「蹴上駅」から徒歩約10分。早朝の時間帯に訪れると、人も少なくゆったりと紅葉を楽しめます。
高台寺(こうだいじ)
豊臣秀吉の正室・ねねが開いた「高台寺」は、紅葉とライトアップで有名な寺院です。八坂神社や清水寺からも徒歩圏内にあり、東山観光とセットで訪れやすい立地にあります。特に、夜間特別拝観では、臥龍池(がりゅうち)に映り込む紅葉のライトアップが幻想的です。
秋の高台寺では、昼と夜でまったく異なる表情を見せてくれます。昼間は石庭や竹林と紅葉のコントラストを楽しみ、夜は幻想的な照明に照らされたモミジを堪能できます。さらに、境内のプロジェクションマッピングなどの演出もあり、現代的な要素と伝統が融合した空間も魅力です。
アクセスは京阪「祇園四条駅」から徒歩15分ほど。周辺にはカフェや土産物店も多く、観光ついでに立ち寄りやすいスポットです。
東福寺(とうふくじ)
京都五山のひとつに数えられる「東福寺」は、京都最大級の紅葉の名所として知られています。特に通天橋からの眺めは圧巻で、谷を埋め尽くすように広がる紅葉は、まさに自然の絨毯です。紅葉の本数は約2000本にのぼり、11月中旬〜下旬がピークです。
境内にはモミジ谷と呼ばれる渓谷があり、そこを渡る通天橋からの眺望は、京都を代表する絶景ポイント。カエデの赤や橙、黄色が混ざり合った風景は息をのむほどで、国内外から多くの観光客が訪れます。
ただし非常に混雑するため、朝一番の拝観がおすすめです。アクセスはJR・京阪「東福寺駅」から徒歩10分とアクセスも良好。混雑を覚悟してでも訪れる価値がある名刹です。
写真映えスポットとして人気の寺
鈴虫寺(すずむしでら)
「鈴虫寺」として親しまれている正式名称「華厳寺(けごんじ)」は、京都市西京区にあるユニークなお寺です。四季を通じて鈴虫の音色が楽しめることで知られていますが、秋には紅葉とのコラボレーションが実に見事です。特に、茅葺き屋根の本堂と赤く染まったモミジの風景は、写真愛好家にとってたまらない被写体です。
境内に広がる紅葉は、赤・橙・黄色のグラデーションが美しく、石段の途中やお地蔵さまのそばで撮影すれば、まるで絵葉書のような一枚が撮れます。また、「幸福地蔵さん」にお願い事を一つだけ伝えると、わざわざ自宅まで歩いて願いを叶えに来てくれるという逸話もあり、紅葉と願掛けを同時に楽しむ人も多いです。
アクセスは阪急「松尾大社駅」から徒歩約15分。観光地の中心からは少し離れますが、それがまた静かで風情ある時間を生み出しています。
金閣寺(きんかくじ)
「金閣寺(鹿苑寺)」は、その名の通り金箔に包まれた舎利殿が池に映える、京都屈指の観光名所です。紅葉の季節になると、その金色の建築と紅葉の鮮やかな色彩の対比がとても美しく、唯一無二の光景を見せてくれます。
特に写真映えするのは、鏡湖池に映る金閣と背後の紅葉。この絶妙な構図を狙って、多くの写真家が訪れます。また、境内にはモミジやカエデの木が多く、順路に沿って歩くだけで秋の風景を楽しむことができます。晴れた日の青空と紅葉、そして金閣の光沢は、まさにインスタ映えの最高峰。
アクセスは市バス「金閣寺道」下車すぐ。紅葉シーズンは非常に混み合うので、開門直後(朝9時前後)を狙うと比較的ゆったりとした撮影ができます。
貴船神社(きふねじんじゃ)
厳密にはお寺ではありませんが、「貴船神社」は紅葉と写真映えを語る上では外せないスポットです。特に、石段に並ぶ赤い灯篭と紅葉のコントラストは全国的にも有名で、秋の京都の風景として雑誌やポスターにも多用されるほど。
紅葉の見頃は例年11月上旬〜中旬で、夜間ライトアップも行われ、幻想的な世界に変わります。周囲は森に囲まれており、神秘的な雰囲気の中で自然と調和する紅葉が美しく映えます。カップルや女子旅にも人気で、和装レンタルと一緒に撮影する方も多く、思い出に残る一枚が撮れること間違いなしです。
アクセスは叡山電鉄「貴船口駅」からバスまたは徒歩で約30分。自然と調和した神域で、静かに秋を感じる贅沢なひとときを過ごせます。
北野天満宮(もみじ苑)
北野天満宮といえば学問の神様・菅原道真公を祀る神社として有名ですが、秋には「もみじ苑」が一般公開され、多くの紅葉ファンが訪れます。苑内には約300本のモミジが植えられており、紅葉が境内の梅苑や渓流沿いを彩ります。
紅葉と朱塗りの橋、木造建築との調和が美しく、どこを切り取っても「和」の情緒が漂う写真が撮れます。夜間ライトアップも行われ、橋や小川に映る紅葉が幻想的です。苑内の散策路は起伏が少なく歩きやすいので、高齢の方やお子様連れでも安心です。
アクセスは市バス「北野天満宮前」すぐ。周辺には和菓子の老舗店も多く、紅葉狩りと食べ歩きをセットで楽しむことができます。
瑠璃光院(るりこういん)
SNSやメディアで話題となった「瑠璃光院」は、まさに“京都一の写真映えスポット”といっても過言ではありません。床に映る紅葉「床もみじ」で一躍有名になり、秋の特別拝観シーズンには多くの人が訪れます。
建物の2階から見える紅葉の景色が、黒塗りの床に鏡のように映し出される風景は、幻想的かつ芸術的。自然と建築美が見事に融合しており、一度見ればその美しさが脳裏に焼き付きます。境内の苔や石庭も美しく、全体としてとても完成度の高い美空間です。
拝観は事前予約制や時間制限が設けられることが多く、最新の情報をチェックしてから訪れる必要があります。アクセスは叡山電鉄「八瀬比叡山口駅」から徒歩約5分。
人混みを避けたい穴場のお寺
大原三千院(おおはらさんぜんいん)
京都市街地からやや離れた大原の山里に位置する「三千院」は、静かな環境の中で紅葉を堪能できる穴場的存在です。紅葉シーズンでも比較的混雑が少なく、ゆったりと散策できるのが魅力です。参道の両脇には土産物店や茶屋が並び、山里の風情が楽しめます。
境内に入るとまず広がるのが「有清園(ゆうせいえん)」という庭園。ここでは、杉木立と苔の絨毯の中に紅葉が舞い降りる美しい風景が広がります。特に金色に色づいたモミジと、わらべ地蔵の組み合わせは、写真映えするとSNSでも人気です。
もう一つの見どころ「往生極楽院」では、平安時代作の阿弥陀三尊像が静かに佇み、紅葉の彩りと相まって心が洗われるような雰囲気に包まれます。アクセスは京都駅からバスで約1時間とやや距離はありますが、喧騒から離れて「本当の京都の秋」を感じたい人にはぜひ訪れてほしいスポットです。
法然院(ほうねんいん)
哲学の道沿いにひっそりとたたずむ「法然院」は、苔むした山門と静かな紅葉風景で知られる隠れた名所です。特に人力車や大型観光バスが立ち寄らないこともあり、いつ訪れても静寂に包まれています。
山門前の両脇に広がるモミジが真っ赤に染まり、苔とのコントラストがとても印象的です。境内には簡素で落ち着いた佇まいの建物が並び、華美な装飾こそありませんが、それがかえって紅葉の美しさを引き立てています。
さらに、境内には芸術家による作品の展示や、文化的なイベントも不定期で開催されており、知的な秋の時間を過ごすことも可能です。アクセスは市バス「銀閣寺前」から徒歩10分程度。観光客が少ない分、京都らしい風情をじっくり味わえるスポットです。
実相院(じっそういん)
左京区岩倉に位置する「実相院」は、「床もみじ」で有名な穴場スポットです。建物内の黒光りする床に紅葉が映り込む様子が幻想的で、静けさの中に紅葉の美しさが際立ちます。人混みが苦手な方にとって、この静かな美しさは心に深く響くでしょう。
紅葉の見頃は11月中旬〜下旬で、境内の庭園では様々な種類のカエデが色づきます。庭園は石庭と池泉回遊式の2種類あり、それぞれに趣があり、紅葉との調和も見事。座敷に腰を下ろして、時間を忘れて紅葉を眺めることができる贅沢なひとときが過ごせます。
アクセスは叡山電鉄「岩倉駅」から徒歩約20分。やや遠めではありますが、その分混雑も少なく、紅葉と静寂を楽しみたい方には理想的な場所です。
岩倉実相院(がんしょくじっそういん)
「実相院」と同様に左京区岩倉にあるこちらの寺院も、紅葉と静寂を味わえる穴場スポットです。一般的には同じ「実相院」として紹介されることも多いですが、ここでは特に庭園と苔庭に注目したい場所です。
苔の上に紅葉が舞い落ちた景色は、まるで自然が作り出した絵画のよう。朝早くに訪れれば、柔らかな光とともに紅葉が輝き、他では味わえない幻想的な雰囲気に包まれます。また、ここでも「床もみじ」の撮影ができることから、隠れた写真スポットとしても人気が高まっています。
観光バスがほとんど通らないため、人の少ない中で紅葉を楽しめるのも大きな魅力。京都の中でも特に“静けさ”を感じられる寺の一つとしておすすめです。
隨心院(ずいしんいん)
山科区にある「隨心院」は、小野小町ゆかりの地として知られ、秋には紅葉に包まれる美しい庭園を楽しむことができます。観光の中心から少し離れているため、人の流れも少なく、ゆったりとした時間が流れる穴場スポットです。
境内には苔庭や枯山水の庭園があり、紅葉と相まって落ち着いた日本の美を感じさせてくれます。特に本堂前の紅葉は密集しており、赤とオレンジのグラデーションが見事です。さらに、小野小町にちなんだ資料館や書道作品の展示もあり、文化的な側面からも楽しめます。
アクセスは地下鉄「小野駅」から徒歩約5分と、意外にもアクセスは良好。人混みを避けて、知る人ぞ知る紅葉スポットを楽しみたい人にはぴったりの場所です。
アクセスが良くて観光しやすいお寺
建仁寺(けんにんじ)
京都最古の禅寺として知られる「建仁寺」は、祇園エリアの中心に位置しながらも、意外と混雑が少なく、紅葉シーズンでも落ち着いて見学できる穴場スポットです。紅葉の見頃は11月中旬〜下旬で、境内に点在するモミジが秋色に染まり、歴史的建築物との美しいコントラストが楽しめます。
特に、枯山水庭園「大雄苑」では、白砂と苔、そして色づいた紅葉が見事に調和し、心が落ち着く空間を演出します。また、風神雷神図(複製)や双龍図などアート的な要素も強く、文化と自然の両方を楽しめるのが建仁寺の魅力です。
アクセスは京阪「祇園四条駅」から徒歩約7分、阪急「河原町駅」からも徒歩圏内で、観光の合間にも立ち寄りやすいロケーションです。周辺には飲食店も多く、ランチや甘味と組み合わせた「紅葉さんぽ」に最適です。
龍安寺(りょうあんじ)
世界遺産にも登録されている「龍安寺」は、その枯山水の石庭が特に有名ですが、紅葉の時期にも非常に美しい景色が楽しめます。石庭の外には大きな庭園が広がっており、紅葉が水面に映える「鏡容池(きょうようち)」が人気の撮影スポットです。
紅葉の本数はそれほど多くはありませんが、静かな境内と池に浮かぶような紅葉の光景が、まさに「侘び寂び」の世界を感じさせてくれます。寺院内は落ち着いた雰囲気が保たれており、静かな環境で紅葉を楽しみたい人におすすめです。
アクセスは京福電鉄「龍安寺駅」から徒歩約5分。嵐山方面や金閣寺とセットで訪れる観光ルートにも組み込みやすく、アクセス面でも優れています。
妙心寺(みょうしんじ)
京都市右京区にある「妙心寺」は、広大な敷地と数多くの塔頭寺院を抱える禅宗の大本山です。紅葉スポットとしてはそこまで有名ではないものの、逆にそれが穴場的な魅力となっており、ゆったりと紅葉を楽しむには絶好の場所です。
特に「退蔵院」や「大心院」などの塔頭では、モミジと枯山水の庭園が見事に調和し、心落ち着く秋の風景が広がります。人混みを避けたいけれどアクセスの良い場所で紅葉を楽しみたい人にはぴったりです。
アクセスはJR「花園駅」から徒歩5分と抜群の立地。嵐山・嵯峨野エリアからの移動にも便利で、日帰り観光に組み込みやすいスポットです。
東本願寺(ひがしほんがんじ)
京都駅から徒歩圏内というアクセスの良さが魅力の「東本願寺」は、浄土真宗大谷派の本山で、巨大な御影堂門や本堂が圧倒的なスケールで訪れる人を迎えてくれます。秋には境内のモミジやイチョウが色づき、荘厳な建築と紅葉の共演が楽しめます。
特に御影堂門の前にある銀杏並木は、黄金色に輝く葉が落ちる様子が美しく、フォトスポットとして人気があります。広い境内は車いすでも回りやすく、バリアフリーに配慮された設計も安心です。
駅近の紅葉スポットとしては珍しく、朝の通勤時間帯や昼休みにも立ち寄れる気軽さがあり、旅のスタートや終わりにふさわしい場所と言えるでしょう。
本法寺(ほんぽうじ)
本阿弥光悦ゆかりの寺としても知られる「本法寺」は、中心地にありながらも訪れる人が少なく、落ち着いて紅葉を楽しめる穴場スポットです。境内には多くのモミジが植えられており、秋になると鮮やかな赤や黄色に染まり、静かな佇まいの中でその美しさが一層際立ちます。
また、芸術と仏教が融合した寺としても有名で、俵屋宗達の「風神雷神図」の模写などが展示されています。文化芸術に興味のある方にとっては、紅葉とアートを同時に楽しめる貴重な機会です。
アクセスは地下鉄「烏丸御池駅」や「二条城前駅」から徒歩圏内と便利で、観光ルートにも組み込みやすいです。近隣にはカフェや町家も点在し、のんびりとした秋の一日を過ごすのに最適です。
まとめ
京都には数え切れないほどの紅葉スポットがありますが、「京都紅葉が綺麗なお寺」というテーマで巡ると、静けさ・歴史・芸術・アクセスの良さなど、それぞれの寺に異なる魅力があることがわかります。
静寂の中で紅葉を味わいたいなら曼殊院門跡や宝泉院、荘厳な歴史を感じたいなら清水寺や永観堂、SNS映えを狙うなら瑠璃光院や金閣寺がおすすめです。さらに、穴場で静かに楽しみたい方には法然院や隨心院、アクセス重視なら建仁寺や本法寺も外せません。
どの寺も、秋の京都を象徴するような美しい紅葉風景を持っており、それぞれの「静けさに包まれる秋の休日」を演出してくれます。人混みが苦手な方も、観光重視の方も、自分に合った紅葉寺巡りを楽しんでください。