「車がないと伊豆旅行は不便」…そう思っていませんか?
実は、伊豆は電車とバスを組み合わせれば、車なしでも十分に観光できるエリアなんです。海沿いを走る絶景列車や、のんびり走るローカルバスに揺られながら、温泉やグルメ、絶景スポットを巡る旅は、運転の疲れもなくむしろ快適。
この記事では、車なしで巡る伊豆観光のモデルルートやおすすめスポット、便利な宿泊エリアまで詳しくご紹介します。
伊豆を車なしで楽しむための基本情報
電車とバスの路線を上手に使うコツ
伊豆は、車がなくても鉄道とバスを組み合わせることで十分に観光できます。特に東伊豆方面は「伊豆急行」が海沿いを走っており、眺めの良い移動そのものが観光の一部になります。
伊豆急行は伊東駅から下田駅までを結び、途中には熱海、伊東、伊豆高原、伊東稲取など人気観光地が点在しています。西伊豆方面は鉄道が通っていないため、三島駅や修善寺駅まで鉄道で行き、そこから路線バスや東海バスを利用するのが基本です。
効率よく回るには、事前にバスの時刻表や「1日乗車券」を調べておくことがポイント。特に伊豆は観光地間の移動距離が意外と長く、乗り継ぎに時間がかかる場合があるため、1〜2カ所に絞って深く楽しむのが得策です。
Googleマップや乗換案内アプリを活用すると、バス停の位置や発車時刻も簡単に確認できます。
伊豆の主要観光地へのアクセス方法
東伊豆では、東京方面からならJR東海道線や新幹線で熱海まで行き、そこから伊豆急行へ乗り換えるのが王道ルートです。
下田方面まで直通する「踊り子号」も便利で、特急列車なら乗り換えなしで景色を楽しみながら移動できます。
西伊豆方面は、東京から三島駅まで新幹線で行き、伊豆箱根鉄道で修善寺駅へ向かうのが基本。修善寺からは東海バスで土肥や松崎、堂ヶ島などへアクセスできます。
南伊豆エリアへは下田駅からバスで行くことが多く、特に弓ヶ浜や石廊崎などはバス便が限られているため、事前の計画が必須です。
車なし旅のメリットとデメリット
車なしでの伊豆旅の最大のメリットは、「運転疲れがない」ことです。絶景を眺めながら電車やバスに揺られるだけで目的地に着き、移動時間も旅の一部として楽しめます。
また、温泉や地酒も気兼ねなく味わえるのは大きな魅力。一方でデメリットは、バスや電車の本数が少ないエリアでは自由度が下がること。観光スポットを欲張りすぎると、移動だけで一日が終わってしまう可能性もあります。
そのため、車なし旅では「行きたい場所を絞る」ことが成功のカギです。
荷物を減らすための旅行テクニック
車なし旅では、移動時に荷物を持って歩く距離が長くなるため、できるだけ軽量化するのがおすすめです。宿泊先での着替えは最小限にし、化粧品や洗面道具はコンパクトなトラベルサイズを使用します。
また、伊豆には駅や主要観光地にコインロッカーや手荷物配送サービスがあるため、荷物を預けて身軽に観光するのも賢い方法です。
特に下田や修善寺では、観光案内所で荷物預かりをしてくれることもあります。
時間に余裕を持つスケジュール作成法
車なしの旅では、どうしても移動時間が多くなります。時刻表の間隔が1時間以上空く路線も珍しくないため、移動の遅れや観光時間の延長を考慮して、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
「午前は観光、午後は温泉」など、1日のテーマを決めて行動するのもおすすめです。
また、夕方以降は交通手段が限られる場合があるため、宿泊先までの最終便を必ず確認しておくと安心です。
伊豆の電車旅おすすめルート
伊豆急行で巡る海沿い絶景スポット
伊豆急行は、伊東駅から下田駅までを結ぶ全長45kmほどのローカル線で、ほぼ全線が海沿いを走るため、車窓からの景色がまるで映画のワンシーンのようです。
特に城ヶ崎海岸付近や片瀬白田駅周辺では、青く輝く相模灘を間近に眺められます。車なしの旅では、この絶景列車に乗るだけでも十分価値があります。
さらに「伊豆クレイル」などの観光列車を利用すれば、車内で地元食材を使った食事やスイーツを楽しみながら移動可能。
沿線には熱海温泉、伊東温泉、伊豆高原、大川温泉などの温泉地も点在しており、駅から徒歩やバスでアクセスできます。旅程を組む際には、海が左手に見えるよう下田行きは左側、伊東行きは右側の席を選ぶのがおすすめです。
伊東から下田までの見どころ
伊東から下田までは約1時間半の旅。途中の「伊豆高原駅」では、おしゃれなカフェや美術館が駅近に集まっており、観光の拠点にぴったり。
さらに「稲取駅」周辺は金目鯛料理の名店が多く、昼食スポットとして人気です。
「河津駅」では春になると河津桜が満開になり、駅周辺がピンク色に染まります。
終点の下田は港町らしいレトロな街並みと、ペリーロード、下田ロープウェイからの景色など見どころが多彩です。
移動の合間に途中下車を組み込むことで、単なる移動時間が観光タイムに変わります。
ローカル線の途中下車で楽しむ小さな町散策
伊豆急行沿線には、観光客があまり降りないけれど魅力的な駅が多くあります。例えば「今井浜海岸駅」は、駅から徒歩すぐに白砂のビーチが広がり、静かな海辺散歩が楽しめます。
「片瀬白田駅」や「稲梓駅」周辺も、昔ながらの漁村の雰囲気が残り、写真好きにはたまらない風景が広がります。こうした小さな駅での散策は、予定外の発見や地元の人との交流が生まれることもあり、旅の思い出をより深くしてくれます。
車なしの旅だからこそ、時間を贅沢に使って立ち寄れるのが魅力です。
列車から見えるおすすめ撮影ポイント
伊豆急行の中でも特に絶景が撮れる区間は、「城ヶ崎海岸駅〜伊豆高原駅」周辺と、「稲取駅〜今井浜海岸駅」の海沿いです。天気が良ければ、青い海と白い波、遠くに伊豆大島が望めることもあります。
列車はカーブを描く区間が多いため、先頭や最後尾の車両から線路と海を一緒に撮影すると迫力ある写真になります。
観光列車「ザ・ロイヤルエクスプレス」や「伊豆クレイル」が走る日は、鉄道ファンならその姿も狙いたいポイントです。
駅ナカ&駅チカグルメ情報
伊豆急行沿線には、駅直結や徒歩圏内に魅力的なグルメスポットが豊富です。伊東駅の駅ビル「アントレ」には地元食材を使ったお弁当やお土産が揃い、移動中の食事にも便利。伊豆高原駅には人気のジェラート店やベーカリーがあり、散策前の腹ごしらえにぴったりです。
下田駅周辺には、新鮮な地魚を使った寿司店やカフェが並び、到着後すぐに港町らしい味を楽しめます。
車なし旅では、こうした駅チカグルメを活用することで、移動中の空腹も心配なしです。
バスで行ける絶景&穴場スポット
河津桜と周辺観光
河津桜は2月上旬から3月上旬にかけて見頃を迎える早咲きの桜で、河津町の川沿いに約850本が咲き誇ります。
下田駅や伊豆急行の河津駅から徒歩でアクセス可能ですが、少し足を延ばすなら河津駅からバスを利用して「峰温泉大噴湯公園」や「河津七滝」へ行くのもおすすめです。
河津桜まつりの期間中は臨時バスやシャトル便が運行され、出店で地元グルメを味わうこともできます。
桜並木と菜の花のコントラストは、カメラ初心者でも映える写真が撮れる絶景ポイントです。
下田のペリーロードと海辺散策
下田駅から市内循環バスを利用すれば、幕末の開港の歴史を感じられる「ペリーロード」や、白壁とナマコ壁が美しい古い町並みをゆったりと歩けます。
さらにバスで「白浜海岸」や「爪木崎」へ足を伸ばせば、青い海と白砂のビーチが広がる絶景スポットが待っています。爪木崎は冬になると水仙が咲き乱れ、海の青とのコントラストが素晴らしい景観を生み出します。
バス本数は多くはありませんが、観光案内所で時刻表をもらって効率的に回れば、車なしでも十分満喫可能です。
修善寺温泉と竹林の小径
三島駅から伊豆箱根鉄道で修善寺駅まで行き、そこから東海バスで約10分。修善寺温泉街は、情緒ある温泉宿や足湯、そして有名な「竹林の小径」が魅力です。竹林の小径は全長300mほどで、竹が空を覆う静かな空間が広がります。
周辺には川沿いの散策路や朱塗りの橋が点在し、写真映えする景色が続きます。バスで少し移動すれば、修善寺自然公園や独鈷の湯なども楽しめます。
夕暮れ時には竹林がライトアップされ、昼間とは違う幻想的な表情を見せてくれます。
松崎町のレトロ街並みと港
西伊豆の松崎町へは、修善寺駅から東海バスで約1時間半の旅。道中は海沿いを走るため、車窓からの景色が絶景です。
松崎は、昔ながらの土蔵造りの建物やなまこ壁の家並みが残る落ち着いた町で、ゆったり散策に最適。近くの「岩科学校」は明治時代の木造校舎で、国の重要文化財にも指定されています。
さらに港まで足を伸ばせば、夕焼けに染まる海と漁船のシルエットが旅情を深めます。
バスの本数は少ないため、往復の時間を事前に確認しておくことが大切です。
バスで行けるおすすめ日帰り温泉
伊豆にはバスでアクセス可能な日帰り温泉が豊富です。
例えば、下田駅からバスで行ける「観音温泉」は、美肌効果の高いアルカリ性単純温泉が特徴。修善寺温泉街にも日帰り利用できる温泉宿や共同浴場が点在しています。
また、堂ヶ島温泉の「沢田公園露天風呂」は、海を見下ろす断崖上にあり、まるで海と一体化したかのような絶景露天が楽しめます。
バスの時刻を逆算して入浴時間を確保すれば、帰り道も安心です。
車なしで楽しむ伊豆のグルメ
駅チカで味わえる海鮮丼の名店
伊豆は新鮮な海の幸の宝庫。特に伊東駅や下田駅周辺には、徒歩圏内で絶品の海鮮丼を味わえる店が多くあります。
伊東駅近くの老舗食堂では、地元漁港から直送されたマグロやアジが贅沢に盛られた丼が人気。
下田駅前には、金目鯛の漬け丼や炙り丼が名物の店もあります。
観光地価格ではなく、地元の人も通うお店を選べば、リーズナブルで満足度も高い食事ができます。
特急や観光列車の発車前に立ち寄れば、移動時間の合間に新鮮グルメを楽しむことが可能です。
ローカル食材を使ったカフェ&ベーカリー
伊豆急行沿線の伊豆高原や河津には、地元食材を使った個性派カフェやベーカリーが点在しています。
伊豆高原駅から徒歩圏にあるカフェでは、自家製パンと地元野菜を使ったサンドイッチが人気。
また、河津駅周辺には桜の時期限定スイーツを提供する店もあります。こうしたお店は観光地のメイン通りから少し外れた場所にあることも多いので、駅からの徒歩時間を事前にチェックすると安心です。
伊豆ならではのスイーツ特集
伊豆のスイーツといえば、ニューサマーオレンジを使ったゼリーやタルト、わさびアイスなどユニークなものが多いです。
下田駅や修善寺駅の売店では、旅の途中で気軽に購入できるスイーツが揃っており、電車やバスの移動中のおやつにもぴったり。
特にわさびアイスは、最初は甘く後からツンとくる不思議な味わいで、旅の話題にもなります。
地元の和菓子店では、桜餅や温泉まんじゅうなど季節限定品も多く、訪れるたびに新しい味と出会えます。
漁港直送!新鮮魚介ランチ
伊豆半島の各地には、漁港直送の魚介をそのまま調理する食事処があり、車なしでも駅やバス停から徒歩で行ける場所が多くあります。
例えば下田港近くの市場では、その日に水揚げされた魚を使った定食がリーズナブルに味わえます。
西伊豆の土肥や堂ヶ島周辺にも、バスで行ける漁師直営の食堂があります。魚の鮮度はもちろん、港町ならではの豪快な盛り付けが魅力で、観光客にも地元住民にも愛されています。
食べ歩きできるご当地グルメ
伊豆には歩きながら楽しめるご当地グルメも豊富です。
熱海や伊東では温泉まんじゅう、下田では金目鯛コロッケや干物の串焼きなど、ちょっと小腹が空いたときにぴったりの軽食がそろっています。
河津桜まつりや下田黒船祭などイベント時には、地元の屋台グルメも登場し、旅の楽しみがさらに広がります。
駅周辺や観光通りを散策しながら、気になるお店で少しずつ買い食いするスタイルは、車なし旅だからこそできる贅沢な時間の過ごし方です。
宿泊も車なしで便利なエリア選び
駅から徒歩5分以内のホテル・旅館
車なし旅では、宿泊先の立地が旅の快適さを大きく左右します。特に荷物が多い場合や雨の日は、駅から徒歩5分以内の宿が理想的です。
伊東駅や下田駅周辺には、駅チカで温泉付きのホテルや旅館が多数あり、観光や移動の合間に気軽にチェックインできます。
駅周辺は飲食店やコンビニも充実しているため、夜の食事や急な買い物にも困りません。
温泉付き宿泊施設おすすめ
伊豆といえば温泉。車なしでもアクセスしやすい温泉宿は、熱海温泉、伊東温泉、修善寺温泉が有名です。
熱海や伊東は新幹線や特急列車で直通アクセスが可能で、駅から徒歩圏の宿が多いのが魅力。
修善寺はバス移動が必要ですが、到着後は情緒ある温泉街が徒歩で楽しめます。
日帰り温泉利用もできる宿なら、観光の合間に立ち寄ることも可能です。
観光拠点として便利な町
伊豆を広く楽しむなら、観光拠点を決めて宿泊するのがおすすめです。
東伊豆なら伊東や伊豆高原、西伊豆なら修善寺や土肥が便利。
南伊豆方面は下田に泊まれば、バスで弓ヶ浜や石廊崎などへアクセスできます。
こうした町は観光案内所も充実しており、現地での情報収集やチケット購入がスムーズです。
宿から徒歩圏で楽しめる夜のスポット
車なし旅では、夜の移動は徒歩が基本。宿から徒歩圏で楽しめる温泉街や飲食街があると、夜の時間も充実します。
熱海では海沿いのライトアップや商店街散策、伊東では昭和レトロな居酒屋巡りが人気。
修善寺では竹林の小径の夜間ライトアップが幻想的です。
夜にしか見られない景色や雰囲気を味わえるのも旅の醍醐味です。
車なしでも満喫できる宿泊プラン例
車なし旅におすすめなのは「連泊ステイ」。
例えば、伊東駅周辺に2泊して1日は熱海方面、もう1日は伊豆高原方面へ日帰り観光するプラン。
移動時間を短縮しつつ、荷物を置いたまま身軽に観光できます。また、下田に2泊して1日は市内散策、もう1日は南伊豆方面のバス旅を楽しむのも効率的です。
交通費や移動時間を節約でき、観光により多くの時間を割けます。
まとめ
伊豆は「車がないと観光が難しい」と思われがちですが、鉄道やバスを上手に活用すれば十分に満喫できます。
伊豆急行での絶景車窓、バスで行く穴場スポット、駅チカのグルメ、徒歩圏の温泉宿など、車なしでも魅力的な要素は盛りだくさん。むしろ運転から解放されることで、移動中も景色や食事をゆったり楽しめるのが最大の魅力です。
大切なのは、行きたい場所を絞り、移動手段や時間を事前に確認して計画的に動くこと。そうすれば、車なしでも伊豆を100%楽しむことができます。