湯河原観光の穴場を巡る癒やしの宿泊旅｜静かな温泉と自然に包まれる休日

忙しい日常に疲れたら、喧騒を忘れて、自然と温泉に包まれた静かな場所へ出かけたくなりませんか？
今回ご紹介するのは、「湯河原観光の穴場を巡る癒やしの宿泊旅」。人混みを避けて、静かに過ごしたい方にぴったりの、知る人ぞ知る自然スポットや温泉宿、地元グルメを集めました。

この記事では、日帰り旅行では味わえない「宿泊旅」だからこそ楽しめるスポットをカテゴリ別に徹底解説します。
旅の満足度を高めるプランニングの参考に、ぜひ最後までお読みください。

静けさと自然を味わえる癒しの景勝地

万葉公園 奥の滝エリア

湯河原の代表的な自然公園「万葉公園」は、観光客にもよく知られていますが、実は足湯施設「独歩の湯」よりさらに奥に進むと、ほとんど人が訪れない静かな滝のエリアがあります。そこには「五所神社」や自然林に囲まれた散策路があり、川のせせらぎと風の音だけが響く、まるで時間が止まったような空間が広がります。

奥の滝へと続く遊歩道は、舗装はされているものの少し起伏がありますが、歩いて10分ほどで到着できます。観光地の喧騒から離れ、苔むした岩と清流に癒やされる感覚は、まさに“湯河原の隠れた癒し”。朝早く訪れれば、鳥のさえずりと澄んだ空気に包まれて心がリセットされるような感覚を味わえます。

宿泊翌日の朝に立ち寄るのもおすすめ。前日に温泉でリフレッシュした体で、静寂の自然を感じながらゆっくり散策する贅沢な時間が過ごせます。観光マップにもあまり詳細に載っていないこのエリアは、本当に知る人ぞ知る湯河原の穴場スポットです。

城山ハイキングコース

湯河原町と真鶴町の境に位置する「城山（じょうやま）」は、標高563メートルの低山ながら、頂上からの眺望がすばらしく、相模湾や真鶴半島、晴れた日には初島まで見渡せる絶景スポットです。ハイキングコースはよく整備されていて、初心者でも気軽に楽しめるため、早朝や朝食前の軽い運動に最適です。

ハイキング中にすれ違う人も少なく、週末でも混雑しないのが大きな魅力。宿泊旅の2日目、朝の時間を有効に使いたい方にとっては、ぴったりの癒し体験になるはずです。木漏れ日の中をゆっくり歩きながら深呼吸すれば、日常のストレスがふっと消えていくのを感じられるでしょう。

秋には紅葉、春には山桜が美しく、季節ごとに違った風景が楽しめるのもこのコースの魅力のひとつ。宿泊者向けのレンタサイクルなども活用すれば、移動もより楽しくなります。

泉公園（穴場の桜＆紅葉スポット）

「泉公園」は、湯河原温泉街から少し外れた場所にある、地元住民に愛されている自然公園です。観光地としての知名度は高くありませんが、春の桜、秋の紅葉は見応えがあり、広々とした芝生や池の周りでのんびり過ごせるのが魅力。観光客の姿も少なく、まさに“知る人ぞ知る穴場”です。

園内にはベンチも多く、朝に宿を出てコーヒーを片手に散歩するにはうってつけ。自然と静けさを堪能したい旅行者にとって、これほど心地よい時間はありません。小鳥のさえずりを聞きながら読書を楽しむ人の姿も見られ、日帰り客には味わえない“ゆとりのある朝”がここにはあります。

園内には子どもが遊べる遊具もあるため、家族旅行にも適しており、世代を問わず癒やしの時間を過ごすことができます。コンビニも徒歩圏内なので、手軽な朝食をテイクアウトしてピクニック気分を味わうのもおすすめです。

幕山公園の裏道ルート

「幕山公園」は湯河原梅林として有名で、梅の季節には多くの観光客が訪れますが、園内の裏側にある自然遊歩道は人も少なく、まさに穴場と呼ぶにふさわしい静かな癒しスポットです。岩肌が露出した幕山を背景に、四季折々の風景が楽しめるこの裏道ルートは、自然との一体感を感じられる散策コースとして人気があります。

とくに梅の見頃が終わった後の春や、初夏の新緑の季節、紅葉が始まる10月〜11月頃が狙い目。園内のメイン通路とは違って観光客もほとんどいないため、写真を撮ったり、深呼吸しながらぼんやりと過ごしたりと、自分だけの時間を確保できます。

宿からタクシーや車でアクセスするのが便利ですが、体力に自信のある方なら湯河原駅から徒歩でも可能です（約40分程度）。時間に余裕がある宿泊旅ならではの行動として、ぜひ組み込みたいルートです。

しとどの窟（源頼朝伝説の静かな史跡）

「しとどの窟（いわや）」は、源頼朝が石橋山の戦いで敗れた際に身を隠したとされる、歴史的な史跡です。急斜面にぽっかりと開いた洞窟の周囲には、神聖な空気が流れており、観光地というより“祈りの場”のような静けさがあります。

この場所へのアクセスは少し難しく、車で山道を上がる必要がありますが、その分、訪れる人も限られており、まさに穴場。宿泊旅の2日目にレンタカーや宿の送迎サービスを利用して訪れるのが理想的です。

しとどの窟の周辺には、手を合わせるための小さな祠や石碑もあり、歴史好きな方にはたまらないスポット。木々に囲まれた細道を歩きながら、過去に思いを馳せる時間は、現代の慌ただしさを忘れさせてくれます。

人混みを避けて楽しめる温泉宿・温浴スポット

湯河原惣湯 Books and Retreat

「湯河原惣湯（そうゆ）」は、2021年にオープンしたばかりの新しいスタイルの温浴施設で、温泉・読書・自然を同時に楽しめる“大人のための癒やし空間”として人気を集めています。場所は湯河原駅から車で10分ほどの高台にあり、まるで山に抱かれているような静けさが魅力です。

この施設では、日帰り利用も可能ですが、ゆっくりとした時間を楽しむためには、併設の宿泊施設「惣湯テラス」での滞在が断然おすすめ。全室に大きな窓が設けられ、緑に囲まれた露天風呂からは相模湾や山々の景色が見渡せます。

ライブラリースペースには、旅・建築・エッセイなど、心を落ち着かせる本がずらりと並び、焙煎されたコーヒーとともに静かな時間を過ごせます。また、敷地内には湯河原温泉の源泉を使用した露天風呂があり、ぬるめの湯にゆっくりと浸かりながら、心と身体をリセットすることができます。

「何もしない」を楽しむために設計されたこの施設は、まさに“癒やしの宿泊旅”にぴったり。人の少ない静かな環境で、ゆっくりと本を読み、自然を眺めながら温泉に入るという、贅沢な時間が流れます。

湯楽（地元密着の小規模温泉）

「湯楽（ゆらく）」は、湯河原温泉街の中心部から少し離れた住宅地にひっそりと佇む、知る人ぞ知る日帰り温泉施設です。地元の方にも愛されており、観光客向けの派手な施設ではなく、昔ながらの雰囲気と清潔感が特徴です。

館内はコンパクトながらも、檜の内湯と露天風呂が備えられており、アルカリ性のやわらかな湯が特徴。肌がすべすべになると評判で、湯治目的で通うリピーターも少なくありません。お湯の温度は比較的ぬるめで、長湯にもぴったり。平日の昼間はとくに空いていて、ほぼ貸切状態になることもあります。

また、浴場には大きな窓があり、外の緑を眺めながらのんびり浸かれるのも魅力のひとつ。館内には休憩スペースもあり、持ち込みの飲食もOKなので、観光の合間に一息つくには最適な場所です。

宿泊施設ではありませんが、宿にチェックインする前や、チェックアウト後に立ち寄る“第2の温泉”としてもおすすめ。静けさとぬくもりに包まれる時間が、旅の疲れを心から癒してくれます。

湯河原温泉 旅館まんりょう（家庭的な小旅館）

「旅館まんりょう」は、客室がわずか5室の小さな旅館ですが、その分、細やかなサービスと静かな滞在が評判の隠れ宿です。駅から徒歩圏内の立地ながら、通りから少し入った場所にあり、まるで別荘に来たかのような落ち着いた雰囲気が漂います。

お風呂は源泉かけ流しの内湯が2つあり、貸切風呂として利用できるため、他の宿泊客と会うことなく、自分たちだけの時間を楽しめるのが魅力。湯はやわらかく、湯冷めしにくいのが特徴で、心身ともにリラックスできます。

夕食には、地元の新鮮な魚介や旬の食材を使った会席料理が提供され、品数や味付けにも定評があります。朝食も体にやさしい和食で、丁寧に作られた味噌汁と焼き魚が好評。食事を楽しみにリピーターが多く訪れるのも納得のクオリティです。

スタッフの距離感も絶妙で、話しかけすぎず、放っておきすぎず。静かな時間を求める旅行者にとって、理想的な滞在空間です。大規模ホテルでは味わえない“家のような温もり”を感じたい方には、ぴったりの宿です。

藤田屋（貸切風呂が人気の老舗宿）

明治創業の老舗旅館「藤田屋」は、湯河原の歴史を感じさせる伝統ある温泉宿です。建物は木造で趣があり、館内のどこを歩いても和の落ち着いた空気が漂います。近年はリニューアルもされ、清潔感と快適性が両立されており、特に40代以上の旅行者に人気です。

この宿の魅力は、なんといっても「貸切風呂の豊富さ」。3種類の貸切風呂があり、事前予約制でプライベートな入浴が楽しめます。内湯だけでなく、露天風呂の貸切もあるため、夜の星空を眺めながらの温泉タイムは格別です。

客室は全体的に静かで、和室を中心とした落ち着いた造り。中にはテラス付きの部屋や、庭を望む特別室もあり、特別な日にもぴったり。宿泊客の年齢層も比較的高めで、静かに過ごしたい人が多く、館内は非常に落ち着いた雰囲気です。

食事は部屋食または個室で提供され、四季折々の地元食材を使用した会席料理がゆったり味わえます。記念日旅行や大人の癒やし旅に最適な宿として、高評価の口コミも多いです。

こごめの湯（落ち着いた日帰り温泉）

「こごめの湯」は、湯河原温泉郷の中でも特に静かな立地にある公共の日帰り温泉施設です。町が運営している施設ながら、館内は清潔で広々としており、温泉そのもののクオリティも高く、観光客よりも地元住民に長年愛されています。

内湯と露天風呂があり、どちらも湯量豊富な天然温泉を楽しめます。とくに露天風呂は、周囲を木々に囲まれており、まるで森の中の温泉に浸かっているかのような気分が味わえるのが特徴。春は新緑、秋は紅葉が美しく、季節ごとに違った表情を見せてくれます。

利用料も手頃で、コインロッカーや自動販売機などの設備も整っており、軽装でも安心。湯上がりには畳敷きの休憩室で横になって一休みすることも可能です。

チェックアウト後に立ち寄って、帰る前にもう一度温泉でリラックスしたいという方にもおすすめ。混雑することが少なく、まさに“最後の癒やし”として、静かな時間を締めくくるのに最適な場所です。

宿泊者限定や早朝利用できる隠れグルメ体験

鮨 割烹 魚繁（宿泊者に人気の朝食対応あり）

「鮨 割烹 魚繁（うおしげ）」は、湯河原町民に長年愛され続けている老舗の寿司割烹です。駅から少し離れた住宅街に位置しており、観光ガイドにはあまり登場しないものの、地元の新鮮な魚介を味わえる“本物志向”のお店として知る人ぞ知る名店です。

宿泊者に特に人気なのは、事前に予約することで対応してもらえる朝食時間帯の特別営業。早起きして朝から握りたての寿司を味わうという、贅沢な体験ができるのは宿泊旅ならではの魅力です。

魚繁の魅力はその素材にあります。相模湾や伊豆半島の漁港から仕入れる地魚を中心に、脂の乗ったアジやサバ、ぷりぷりのイカや生しらすなど、季節ごとに異なる旬の味が楽しめます。酢飯はほんのり甘めで優しく、朝でも食べやすいのが特徴。

また、握り寿司だけでなく、焼き魚定食や小鉢のついた和朝食セットもあり、「朝から重いものはちょっと…」という方にも安心。特に女性客やシニア世代のリピーターが多いのも納得です。

こぢんまりとした店内は落ち着いており、職人との距離も近く、気さくな会話が楽しめるのも魚繁の魅力。宿から歩いて行ける距離にある場合は、朝の散歩がてら訪れるのもおすすめです。

和菓子処 花つづみ（朝から開店する地元和菓子）

「和菓子処 花つづみ」は、湯河原温泉街の中でも早朝8時から営業している貴重なお店です。店頭には季節感あふれる和菓子が並び、地元の人が朝のお茶請けに買っていく姿が見られます。旅行者にとっては、チェックアウト後に立ち寄って手土産を買ったり、宿に戻って朝のコーヒーと一緒に楽しんだりと、さまざまな活用ができる穴場スポットです。

特に人気なのは、湯河原名物「柚子羊羹」や「栗むし羊羹」といった、地元の素材を活かした逸品。職人が手作業で丁寧に作るため、一つひとつの味わいが繊細で、口に入れた瞬間に広がる風味が旅の思い出を豊かに彩ります。

また、花つづみの店内には、小さなイートインスペースがあり、購入した和菓子と一緒に抹茶やほうじ茶をいただくことも可能。朝の静かな時間帯に、和の甘味とお茶を楽しむという体験は、宿泊旅だからこそできる贅沢です。

季節によって限定品も登場するため、何度訪れても新しい発見があるのも魅力。特に秋の「いも栗かぼちゃ三昧」や、春の「桜餅・うぐいす餅セット」などは、目にも鮮やかでSNS映えも抜群です。

カフェ まいん（宿泊翌日の朝カフェに最適）

「カフェ＆ギャラリー まいん」は、湯河原駅から車で10分ほどの山の中にある隠れ家カフェです。木々に囲まれた一軒家のカフェは、観光客がほとんど来ないため、とにかく静か。鳥のさえずりと木漏れ日だけがBGMになる、理想的な“朝の時間”が過ごせます。

朝9時からオープンしており、宿泊翌日のブランチや、チェックアウト後の立ち寄りスポットとして人気です。メニューは、地元の有機野菜を使ったキッシュプレートや、焼きたてのスコーン、そして香り高いハンドドリップコーヒーなど、すべて丁寧に作られており、朝から満足度の高い食事が楽しめます。

店内は木のぬくもりを感じるインテリアでまとめられており、ギャラリースペースでは地元作家の陶器や絵画が展示・販売されているため、食後のちょっとしたアート散歩もできます。

「まいん」の魅力は、旅の終わりにゆっくりと“余韻”を楽しめること。次の予定まで少し時間があるときや、早めに宿をチェックアウトしたあと、「せっかくだからもう少し湯河原を味わいたい」という方に最適です。

飯田商店（裏時間帯予約でスムーズ）

全国のラーメン好きが注目する「らぁ麺 飯田商店」は、言わずと知れた名店ですが、通常は整理券制や事前予約が必要で長蛇の列ができることでも有名です。ところが、宿泊者にとっては、裏時間帯（朝の遅め〜昼前）の平日予約を狙うことで、意外とスムーズに楽しめる“穴場的時間帯”があります。

「朝食後、少し時間を空けて10時半にラーメン」というような計画を立てることで、観光客が集中する正午を避け、待ち時間もほぼゼロで絶品ラーメンを堪能できます。湯河原に宿泊するからこそ実現できる、特権的な体験です。

飯田商店のラーメンは、醤油・塩どちらも絶品。自家製麺はツルツルの喉越しで、スープは鶏の旨味が凝縮された繊細な味。特に「しょうゆらぁ麺」は、全国のグルメ系メディアでも高評価を獲得しています。

宿泊旅のスケジュールに組み込む場合は、予約時点で時間帯を確認し、予定に余裕をもたせるのがおすすめ。ラーメン一杯の体験が、その旅を特別なものにしてくれます。

湯河原十二庵（朝食系湯豆腐セットが有名）

「湯河原十二庵（じゅうにあん）」は、自家製豆腐と湯豆腐料理を提供する専門店で、宿泊翌日の朝に訪れたい、非常に評価の高い穴場グルメスポットです。店舗は静かな住宅街にあり、観光通りからは少し外れた場所にあるため、知っていないと辿り着けない“隠れ家”のような雰囲気があります。

人気のメニューは「朝の湯豆腐御膳」。温かい湯豆腐を中心に、季節の野菜の炊き合わせ、小鉢、お味噌汁、ご飯がセットになっており、体に優しい朝食として女性やシニア層を中心に支持されています。湯豆腐は自家製のなめらかでクリーミーな豆腐を使用しており、口に入れるとふわっと溶けるような食感です。

また、豆乳プリンやおからコロッケなどの軽食も用意されており、朝からしっかり食べたい派も軽めで済ませたい派も、満足できるラインナップになっています。

開店時間は9時からで、宿をチェックアウトしたあとに立ち寄るにはちょうどよいタイミング。混雑が少なく、店内も落ち着いた空間なので、朝の静かな時間をゆっくりと味わうことができます。

落ち着いた時間を過ごせる歴史・文化スポット

湯河原美術館（宿泊翌朝のんびり訪問）

「湯河原美術館」は、温泉街の中心から少し坂を上った静かな丘の上に建つ、小さな美術館です。建物は和風建築をベースとした落ち着いた佇まいで、周囲には緑が生い茂り、まるで自然と一体になったような空間が広がっています。宿泊翌日の朝にゆっくり訪れるのにぴったりなスポットです。

館内では、竹内栖鳳や平松礼二など、日本画を中心とした作品が展示されており、展示替えも年に数回あるため、訪れるたびに新たな発見があります。とくに、繊細な筆致の風景画や季節を感じさせる作品が多く、湯河原の自然とリンクするような感覚に包まれます。

館内には喫茶室「カフェ＆ガーデン ゆがわら」も併設されており、大きなガラス窓から庭園を眺めながらコーヒーやハーブティーを楽しむことができます。人も少なく、静かにアートと向き合いたい方にはぴったりの場所です。

また、屋外には散策路が整備されており、敷地内の小道をゆっくり歩くだけでも癒やされます。紅葉の季節には特に美しく、静けさと風景の美しさが相まって、まさに「大人の癒し旅」にふさわしい時間が流れます。

福泉寺（山の中にひっそりとある寺）

「福泉寺（ふくせんじ）」は、湯河原駅から車で10分ほどの山中にある曹洞宗のお寺で、観光地らしさとは無縁の、ひっそりとした空気が流れています。観光客のほとんどが立ち寄らないこの寺は、地元の人々の信仰を集める由緒ある場所であり、訪れるだけで心が洗われるような感覚になります。

境内は非常に静かで、木々に囲まれた空間には鳥のさえずりと風の音しか聞こえません。立派な本堂や手入れの行き届いた庭園は、時間がゆっくりと流れる場所であり、都会の喧騒を忘れたい人にとっては最高の癒しになります。

また、境内には小さな鐘楼があり、訪問者が自由に鐘をつくこともできます。その「ゴーン」という音は、まるで心に直接響いてくるようで、旅の疲れを一瞬で癒してくれる力があります。

寺の歴史や詳細について多くは語られていませんが、それがまたこの寺の魅力です。「知る人ぞ知る」静寂の空間に身を置き、自分と向き合う時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

万葉亭（文化交流＆古民家見学）

「万葉亭（まんようてい）」は、湯河原温泉の中心エリアにある、築100年以上の古民家を利用した文化交流施設です。元は旅館だった建物を改装し、現在は展示やワークショップ、イベントなどが行われており、観光客も自由に立ち寄ることができます。

建物は明治時代の面影を色濃く残しており、畳の間や欄間、格子戸など、どこを見ても「日本の伝統美」を感じられる造り。宿泊旅の中で、温泉と自然だけでなく、文化的な体験もしたいという方には特におすすめです。

定期的に開催される和紙づくりや書道の体験イベントも人気で、旅の思い出づくりにもぴったり。事前に調べておけば、滞在日程に合わせて参加することもできます。

館内には喫茶コーナーもあり、地元産の和菓子と煎茶をいただきながら、静かな畳の部屋でのんびりと過ごすことができます。天気のいい日は縁側で外の景色を眺めながら一服するのもおすすめです。

こうしたゆったりとした時間が持てるのは、宿泊旅ならではの醍醐味。観光地を「消費する」のではなく、「じっくり味わう」旅のスタイルに合う場所です。

熊野神社（歴史ある神社で参拝）

「熊野神社」は、湯河原温泉街のはずれにある、ひっそりとした神社で、源頼朝が戦勝祈願に訪れたとされる歴史深い場所です。観光スポットとして派手さはありませんが、地元では厄除けや商売繁盛のご利益があると親しまれています。

杉の大木に囲まれた境内は、まさに“静寂”という言葉が似合う空間で、早朝に訪れると、神聖な空気をより強く感じることができます。石段をゆっくりと登り、社殿に手を合わせるだけで、心が浄化されるような気分になります。

春には境内の桜が満開になり、秋には紅葉が美しく色づくため、季節ごとに異なる顔を見せてくれるのも魅力。写真を撮る観光客も少ないため、自分だけの景色をゆったり楽しむことができます。

宿泊翌日の朝、チェックアウト前の短い時間で訪れるには最適なロケーション。時間がないけど何か“心に残る体験”をしたいという方にとって、熊野神社の静かなひとときは、旅の締めくくりにふさわしい場所です。

湯河原人車鉄道記念館跡（地域密着型スポット）

「湯河原人車鉄道記念館跡」は、明治時代から大正時代にかけて活躍した人車鉄道（人が客車を押して走る鉄道）に関する展示を行っていた記念館跡地で、現在は小さな案内板とモニュメントのみが残されています。多くの観光客には知られていない、まさに穴場中の穴場スポットです。

この場所の魅力は、その“素朴さ”にあります。博物館のような立派な建物はありませんが、地元の人が手作りで管理している展示パネルや写真、当時の路線図などを見ることができ、地域の歴史を身近に感じられる空間となっています。

徒歩で立ち寄れる場所にあるため、朝の散歩がてら訪れるのにも最適。観光の派手な要素はありませんが、「こんなところにも湯河原の歴史が息づいていたんだ」と思わせてくれる、静かで深みのある場所です。

宿泊旅の中で、少しだけでもその土地の“過去”に触れてみたいという方におすすめ。時間はかからず、観光マップにもほとんど載っていないため、訪れることでちょっとした優越感が味わえるのも密かな魅力です。

宿泊旅だからこそ行ける郊外の静寂スポット

奥湯河原自然遊歩道（渓流沿いの癒しトレッキング）

「奥湯河原自然遊歩道」は、湯河原温泉街の奥地に広がる森林エリアに整備された散策コースで、宿泊翌日に少し早起きして訪れたい、静寂と自然の宝庫です。全長は約2kmほどで、初心者にも歩きやすく、ゆったりと自然を満喫できるコースとなっています。

この遊歩道の魅力は、なんといっても川沿いの景観です。途中には澄んだ水が流れる渓流があり、川音をBGMに木々のトンネルを歩いていく感覚は、まさに癒やしそのもの。人工物がほとんどなく、野鳥のさえずりや落ち葉の香りが旅人を包み込みます。

春は新緑、秋は紅葉が美しく、訪れる時期によって風景がガラリと変わるのも特徴。平日は人通りも非常に少なく、すれ違うのは地元の散歩客や熱心なハイカーくらい。宿泊して時間に余裕があるからこそ行ける、穴場中の穴場です。

遊歩道の入口は奥湯河原のバス停から徒歩すぐなので、宿からバスでのアクセスも可能。旅館によっては無料送迎サービスもあるため、事前に相談してみるとよいでしょう。温泉と自然をダブルで楽しみたい方に、ぜひ訪れていただきたい静かな癒しスポットです。

湯河原パークウェイ展望台（絶景が見渡せる静かな高台）

「湯河原パークウェイ」は、湯河原から箱根に抜ける有料道路ですが、その途中にある「湯河原パークウェイ展望台」は、知る人ぞ知る絶景スポットです。高台に位置しており、相模湾や湯河原の町並みを一望できるこの場所は、夕暮れ時や早朝に訪れると、まるで絵画のような景色が広がります。

日中は車の通行があるものの、展望台に立ち寄る人はごくわずかで、混雑とは無縁。広々とした駐車スペースがあるため、宿泊旅の中でレンタカーを利用する方や、送迎付きプランを使う方におすすめです。

特におすすめなのは、朝のチェックアウト前や、夕食前の小ドライブとしての活用。短時間で絶景が味わえるため、スケジュールに無理なく組み込めます。また、展望台にはベンチも設置されており、コーヒー片手にぼんやりと海を眺める贅沢な時間を過ごすのも◎。

観光ガイドにほとんど掲載されていない場所なので、訪れることで“秘密の場所を見つけた”という満足感が得られるはず。都会では味わえない空と海の広さを、ぜひ体感してください。

星ヶ山公園（夜景と星空が美しい穴場スポット）

「星ヶ山公園」は、その名のとおり、星空がきれいに見えることで地元の人々に親しまれている小さな公園です。湯河原駅から車で20分ほど、山道を登った先にあるため、宿泊旅でないとなかなか足を運びづらい場所でもあります。

夜になると、湯河原や小田原の市街地の灯りが眼下に広がり、星空とのコントラストが美しい夜景スポットになります。観光客があまり訪れないため、静かな時間を過ごすには最適。恋人同士や夫婦での滞在にもぴったりなロマンチックなスポットです。

昼間でも、山の上からの景色は十分に楽しめ、四季折々の草花が咲く自然公園としても機能しています。遊具などはありませんが、散策路が整備されており、展望台からの眺望が抜群。春には桜、秋には紅葉も楽しめます。

夜に訪れる際は、必ず懐中電灯やスマートフォンのライトを持参し、安全に配慮してください。宿からのアクセスにはタクシーやレンタカーがおすすめ。時間と余裕がある“宿泊旅”だからこそ訪れられる、特別な場所です。

南郷山（初心者にもおすすめの山歩きコース）

標高610メートルの「南郷山（なんごうやま）」は、湯河原町の南西部に位置する山で、初心者でも登れるハイキングコースとして人気です。アクセスは湯河原駅からバス＋徒歩、または宿からタクシーなどを利用するのが一般的で、登山道はよく整備されており、迷うことなく歩けます。

頂上からは相模湾をはじめ、箱根の山々や伊豆半島を見渡せる360度のパノラマが楽しめます。とくに日の出直後や夕方の光景は美しく、静寂の中に浮かぶ絶景が心を打ちます。宿泊旅で時間に余裕があるからこそ実現できる、貴重な自然体験です。

登山といっても所要時間は片道1〜1.5時間ほど。無理なく行ける範囲でありながら、しっかりと登ったという達成感も味わえるのが南郷山の魅力です。歩きやすい靴と水分さえあれば、特別な装備は不要です。

途中にはベンチや木陰が点在しているため、休憩しながらのんびり登山が可能。チェックアウト後に軽く体を動かしたい方、旅の締めに自然を満喫したい方にぴったりのコースです。

白銀林道（車通りの少ない自然道）

「白銀林道（しろがねりんどう）」は、湯河原町と真鶴町の間を走る、舗装された林道です。車の通行量が少ないうえに歩行者やサイクリスト向けのルートもあり、自然の中で“誰にも邪魔されずに歩く”という特別な体験ができる穴場スポットです。

林道は緩やかなアップダウンで構成されており、運動不足の方でも気軽にウォーキングやサイクリングを楽しめます。木漏れ日の中を歩く道中では、リスや鳥など野生動物に出会えることもあり、思わぬ自然との出会いが旅の思い出を豊かにしてくれます。

とくにおすすめなのが、朝の時間帯。宿泊翌日の朝に、早起きしてこの林道を散歩すれば、誰にも会わない森の静寂と、新鮮な空気を一人占めできます。地元の方も犬の散歩などで利用しており、観光客は非常に少ないのが特徴です。

場所によっては相模湾が遠くに見えるスポットもあり、風景の変化も楽しめます。レンタサイクルを借りてのんびり走るのも◎。喧騒を離れて、本当の静けさを求める方におすすめしたい、湯河原最後の癒やしポイントです。

まとめ

湯河原といえば、温泉と海のイメージが強い町ですが、今回ご紹介したように「静かに過ごせる穴場スポット」が豊富にあります。自然の中で深呼吸し、地元で愛される温泉に浸かり、喧騒から離れて静かに味わう食の時間。これらは、日帰りではなかなか体験できない、宿泊旅だからこそ可能になる贅沢です。

観光地のメインストリートを外れた場所にこそ、本当の“湯河原の魅力”が隠れています。人混みを避けて、心と身体をリセットする旅。忙しい日常の合間に、ほんの少し立ち止まって、湯河原の静けさに身をゆだねてみてはいかがでしょうか？

次の休日は、喧騒を離れ、自然と温泉に包まれる“自分だけの時間”を過ごす旅へ。湯河原の穴場が、きっとあなたの心を癒してくれるはずです。