「湯河原って車がないと観光できないのでは?」
そんな不安を抱いている方に朗報です!実は、湯河原は公共交通機関や徒歩だけでも十分に観光が楽しめる、知る人ぞ知る“車なし旅”にぴったりな温泉地なんです。
この記事では、湯河原を車なしで満喫するためのモデルプランをご紹介します。自然に癒やされ、温泉に浸かり、地元グルメを堪能しながら、のんびりと旅を楽しむ――そんな大人の贅沢が叶うスポットを、カテゴリ別にわかりやすくまとめました。
「車なしでもここまでできるの!?」と驚くほど魅力的な湯河原観光、ぜひ一度体験してみてください。
自然を感じるスポット
万葉公園
万葉公園は、湯河原の中心部に位置する自然豊かな公園で、古代の歌人たちが愛した風景が今も残されています。車なしでも湯河原駅からバスでアクセスでき、徒歩でも20分ほどと、観光の拠点として非常に便利な立地です。園内には「万葉集」にちなんだ歌碑や、風情ある小川が流れており、四季折々の自然を楽しめます。
特におすすめなのは、春の新緑や秋の紅葉の時期。木々が色づく景色を見ながら園内を散策すると、まるで古の日本にタイムスリップしたような気持ちになります。また、公園内には足湯施設「独歩の湯」も併設されており、10種類の足湯が楽しめることで知られています。靴を脱いで気軽に温泉体験できるのも魅力のひとつです。
園内は整備されておりベビーカーや車椅子の利用も可能で、家族連れにもぴったり。静かで落ち着いた雰囲気の中、自然と歴史、温泉の癒やしを一度に味わえるスポットです。観光客だけでなく、地元の人にも愛されているこの公園は、車がなくてもゆったりと過ごせる理想的な場所と言えるでしょう。
不動滝
湯河原の自然の中でもひときわ存在感を放つのが、不動滝です。高さ15メートルから流れ落ちる水は迫力満点で、マイナスイオンをたっぷり浴びられる癒しのスポットです。車がなくても、湯河原駅からバスに乗り「奥湯河原」バス停で下車、そこから徒歩約10分とアクセスも良好です。
滝の周辺は豊かな緑に囲まれており、春には新緑、秋には紅葉が滝の背景を彩ります。静かな山道を歩くと、鳥のさえずりや川のせせらぎが心を穏やかにしてくれます。不動滝の名は、不動明王にちなんでおり、滝の近くには不動尊を祀る祠もあります。古くから地元の人々の信仰の場であったことが伺えます。
滝の近くには、ベンチも用意されており、疲れたら休憩も可能です。近年ではSNS映えする撮影スポットとしても人気があり、特に早朝の光に照らされる滝の姿は幻想的です。湯河原の大自然を肌で感じるなら、不動滝は絶対に外せない場所です。
湯河原梅林(幕山公園)
幕山公園は、標高626メートルの幕山のふもとに広がる広大な自然公園で、特に「湯河原梅林」として春に多くの観光客が訪れます。約4,000本の紅白梅が咲き誇る光景は圧巻で、「梅のじゅうたん」とも称されます。車なしでも、湯河原駅から梅林開催時期限定の臨時バスが出ており、アクセスに不便はありません。
2月中旬から3月中旬にかけて開催される「梅の宴」は、地元グルメの出店やライブ演奏も行われる人気イベントで、花だけでなく五感で楽しめます。公園内は梅の時期以外でもハイキングコースとして整備されており、自然を満喫するにはぴったりです。
幕山自体も初心者向けの登山コースとして人気があり、1〜2時間程度で登頂でき、頂上からは相模湾の絶景が広がります。途中にはベンチや展望スポットも多く、休憩しながら無理なく登ることができます。湯河原の自然をダイナミックに楽しめるこの場所は、車がなくても十分堪能できます。
城山(湯河原城跡)
城山は、かつて湯河原城(石橋山城)があった場所として知られる小高い丘です。湯河原駅から徒歩でもアクセス可能で、車なしでも安心して訪れることができます。標高は約300メートルと低めですが、山頂からは湯河原の街並みと相模湾が一望できる絶景が広がります。
湯河原城は源頼朝が石橋山の戦いで敗れた後に立てこもったとされる歴史ある場所。今は城の跡が残るのみですが、案内板や石碑が整備されており、歴史に触れながら自然散策ができます。登山道は整備されており、軽装でも十分登れるレベルです。
途中には桜の木も多く、春には花見スポットとしても人気。ハイキングしながら湯河原の自然と歴史を感じたい人にぴったりの場所です。あまり観光客が多くないので、静かに過ごしたい人には特におすすめです。
しとどの窟
しとどの窟(いわや)は、源頼朝が敵から逃れるために隠れたと伝えられる洞窟で、歴史好きにはたまらないスポットです。湯河原駅からバスで「奥湯河原」まで行き、そこから徒歩で山道を30分ほど登る必要がありますが、道は整備されており初心者でも問題なく行けます。
洞窟は高さが3メートルほど、奥行き10メートルほどの自然の地形を活かしたもので、神秘的な雰囲気が漂います。周辺には石仏や祠が点在し、かつての歴史的背景を感じながら、静かな森林浴も楽しめます。現地には頼朝公の像もあり、撮影スポットとしても人気です。
アクセスには少し体力が必要ですが、そのぶん訪れた時の満足感は格別です。登山気分と歴史探訪の両方を一度に味わえるこのスポットは、まさに湯河原観光の「隠れた名所」といえるでしょう。
湯河原ならではの温泉体験
こごめの湯(公共浴場)
こごめの湯は、湯河原温泉街の中心部に位置する公共の日帰り温泉施設で、地元の人にも観光客にも長年愛されている名湯です。湯河原駅からバスで「落合橋」バス停下車、徒歩約5分とアクセスも良好で、車なしでも気軽に訪れることができます。
施設は木造風の和風建築で、落ち着いた雰囲気。浴場からは周囲の山々を望むことができ、四季折々の自然を感じながら入浴できます。泉質は弱アルカリ性のナトリウム・カルシウム塩化物・硫酸塩泉で、肌がすべすべになる「美人の湯」として評判です。神経痛や冷え性にも効果があるとされ、湯上がりの体の軽さを実感できます。
館内には休憩所や自動販売機も完備されており、旅の途中のリフレッシュにぴったりです。観光途中にふらっと立ち寄れるのが公共浴場の強みで、料金も大人1人500円前後と非常にリーズナブル。タオルなどもレンタル可能なので、手ぶらでも安心して利用できます。短時間でも本格的な温泉体験ができる「こごめの湯」は、車なし観光の中継地点としてとても優秀なスポットです。
湯河原惣湯 Books and Retreat
「湯河原惣湯 Books and Retreat」は、2022年にオープンした比較的新しい施設で、温泉だけでなく“静寂”と“読書”をテーマにした癒やしの空間として注目を集めています。湯河原駅から無料のシャトルバス(要予約)が出ており、車がなくても快適にアクセスできます。
館内には天然温泉を引いた露天風呂、サウナ、リラクゼーションスペースがあり、周囲の自然と調和した建築デザインが特徴的です。特にライブラリーラウンジには2,000冊以上の本が揃い、好きな本を手に取りながら湯上がりに読書を楽しむことができます。Wi-Fiも完備されており、半日〜1日ゆったり過ごせる環境が整っています。
また、オーガニック食材を使ったカフェメニューも人気で、身体に優しいランチやドリンクを楽しめます。混雑が少なく、静かに過ごしたい大人のための隠れ家的スポットとしておすすめです。温泉と読書、自然の音に包まれて、都会の喧騒を忘れるリトリート体験ができます。
ゆがわら万葉荘(立ち寄り湯)
「ゆがわら万葉荘」は、宿泊も可能な温泉旅館ですが、日帰り入浴も受け付けており、観光の途中で立ち寄れる便利な施設です。湯河原駅からバスで「温泉場中央」バス停下車すぐと、車なしでもアクセスは非常に良好です。
この旅館の魅力は、和モダンで落ち着いた空間と、源泉かけ流しの天然温泉。内湯と露天風呂のどちらも完備されており、特に露天風呂では風に揺れる木々を眺めながら湯浴みができます。泉質はナトリウム・カルシウム塩化物泉で、保温効果が高く、湯冷めしにくいのが特徴です。
また、館内は清潔感があり、スタッフの対応も丁寧で、旅の途中でも快適に過ごせます。入浴料は1,000円前後と少し高めですが、その分ゆったりとした空間が確保されており、騒がしさとは無縁の大人の時間を楽しめます。予約不要で立ち寄れるため、プランの合間に組み込みやすいのも嬉しいポイントです。
湯河原温泉街 足湯めぐり
湯河原温泉街には、無料または安価で利用できる足湯スポットが点在しており、歩き疲れた観光客の癒しの場として人気です。代表的な足湯は「独歩の湯」ですが、温泉場中央通り周辺には他にも数カ所の足湯があり、散策しながらの足湯めぐりが楽しめます。
特に面白いのは、万葉集の登場人物をモチーフにしたテーマ別の足湯がある点。それぞれ効能が異なるとされ、神経系や循環器系、リラックス効果に特化した足湯などが揃っています。温泉街を徒歩で移動しながら、あちこちにある足湯で立ち寄るスタイルは、車なし旅行者にぴったりの楽しみ方です。
また、足湯はタオルさえあれば気軽に楽しめるため、入浴時間を取れない時にも最適です。旅の途中のちょっとした休憩や、次の目的地までの待ち時間などにも便利。移動中に温泉の恵みを感じられる、湯河原ならではの贅沢な過ごし方です。
温泉場中央通りの旅館立ち寄り湯
湯河原温泉街の中心を流れる藤木川沿いに広がる「温泉場中央通り」には、日帰り入浴を受け入れている旅館が複数あり、車がなくても湯巡りが可能です。この通りは徒歩圏内に多くの温泉施設が集中しており、まさに“湯めぐりストリート”と呼べるエリアです。
立ち寄り湯が可能な旅館には、老舗の「海石榴(つばき)」や「源泉 上野屋」などがあります。どちらも趣のある和風建築で、上質な温泉と落ち着いた雰囲気が楽しめます。予約不要で利用できる施設も多く、入浴料は1,000円〜2,000円程度が相場です。
日によって受付時間や混雑状況が変わるため、事前に電話や公式サイトで確認しておくと安心です。湯河原駅から「温泉場中央」方面へのバスも頻繁に運行しており、観光ルートの中に自然に組み込めるのも嬉しいポイントです。車がなくても、複数の本格温泉をはしごできるのは湯河原ならではの魅力と言えるでしょう。
車なしで楽しめる湯河原グルメ
めしや大磯(海鮮丼)
湯河原の港町らしい新鮮な海の幸を味わえる名店「めしや大磯」は、湯河原駅から徒歩10分ほどの距離にあり、車がなくても十分アクセス可能です。地元漁港で水揚げされた魚をふんだんに使った海鮮丼が名物で、観光客はもちろん地元の常連客にも大人気です。
看板メニューの「特選海鮮丼」は、まぐろ、いくら、白身魚、甘エビなどが贅沢に盛られ、色鮮やかな見た目も食欲をそそります。シャリには酢をやや控えめにした地元スタイルの味付けが施されており、魚本来の味をしっかり楽しめる工夫がされています。
店内は昔ながらの食堂のような雰囲気で、気取らない接客が心地よく、観光で訪れた人もすぐに馴染める空気感があります。ランチタイムは混雑することもありますが、回転も早いため待ち時間は比較的短め。予約は不要ですが、訪れる前に混雑状況を確認するのがおすすめです。
湯河原で「地元の味をリーズナブルに楽しみたい!」という方にとって、めしや大磯は外せないグルメスポットです。特に車なしで旅行する人にとって、駅から徒歩で行ける立地は非常にありがたい存在です。
和菓子処 味楽庵(温泉まんじゅう)
湯河原のお土産としても有名な「温泉まんじゅう」を楽しめる名店が、「和菓子処 味楽庵」です。湯河原駅から徒歩8分ほどとアクセスが良く、観光の途中に立ち寄るのにぴったりな立地にあります。
この店の看板商品は「黒糖まんじゅう」。こだわりの黒糖を練りこんだ生地の中には、なめらかなこし餡がたっぷり詰まっており、一口食べるとやさしい甘さと香ばしさが広がります。店内ではまんじゅうの製造過程をガラス越しに見ることができ、見学も楽しみのひとつです。
味楽庵の魅力は、できたての温泉まんじゅうをその場で味わえる点。蒸し立ては外がふわふわ、中は熱々で、湯気が立ち上るその様子は、まさに温泉地ならではの風情を感じさせてくれます。お茶の無料提供もあり、イートインスペースでほっと一息つけるのも嬉しいポイントです。
お土産用に箱詰めもあり、観光の思い出を持ち帰るのにも最適。車がなくても、ふらりと立ち寄って湯河原の味を堪能できる、優しさあふれる老舗和菓子店です。
cafe&dining H(カフェ)
「cafe&dining H(エイチ)」は、湯河原駅から徒歩5分の場所にある、おしゃれな雰囲気のカフェレストランです。観光地のカフェとは思えないほど洗練されたインテリアと、こだわりの料理が魅力で、女性客を中心に人気を集めています。
メニューは地元食材を活かした創作料理が中心で、中でも人気なのが「相模湾のしらすと季節野菜のパスタ」や「地元野菜のキッシュプレート」。料理はすべて見た目にも美しく、SNS映えすること間違いなしです。ドリンクメニューも充実しており、コーヒーからハーブティー、地元産果物のスムージーまで揃っています。
内装はウッド調のナチュラルな雰囲気で、リラックスできる空間が広がっています。ランチタイムから夕方まで通し営業をしているため、観光の合間に時間を気にせず利用できるのも便利。予約も不要で入りやすい雰囲気です。
カフェ文化が根付く湯河原の中でも、トレンド感と地域密着のバランスが絶妙なこのカフェは、車なしで訪れる旅行者にとって強い味方と言えるでしょう。
ラ・クラッセ・ドゥ・シェネガ(ホテルレストラン)
「ラ・クラッセ・ドゥ・シェネガ」は、湯河原駅から無料の送迎バスが出ているリゾートホテルで、その中にあるフレンチレストランが絶品と評判です。海を望む高台に建つこの施設では、相模湾の絶景を眺めながら優雅な食事が楽しめます。
レストランでは、地元の海の幸や旬の野菜を使った本格的なフランス料理がコース形式で提供され、特に魚介を使ったメインディッシュは絶品。ランチでもディナーでも利用可能で、昼は海の青さ、夜は星空とライトアップされた海岸線を楽しめます。
サービスも一流で、丁寧な接客と落ち着いた空間づくりが魅力。記念日や特別な日の食事にも最適です。ドレスコードはありませんが、少しおしゃれをして訪れたくなる雰囲気があります。
車なしの旅行では少し敷居が高く感じるかもしれませんが、送迎サービスのおかげで誰でも気軽に訪れることができ、湯河原旅行をワンランク上に引き上げてくれる特別な体験が待っています。
湯河原十二庵(豆腐料理)
豆腐好きにぜひ訪れてほしいのが「湯河原十二庵」。ここは湯河原駅から徒歩12分ほどにある、豆腐と豆乳スイーツの専門店です。店主自らが豆腐作りを行い、国産大豆と天然にがりにこだわった製法で作られる豆腐は、風味豊かでなめらか。
店内にはイートインスペースがあり、「豆腐ステーキ定食」や「おぼろ豆腐御膳」など、豆腐を中心にしたランチが楽しめます。シンプルながら丁寧に仕込まれた味は、体に優しく、観光中の胃にも嬉しい存在です。
また、豆乳ソフトクリームや豆乳プリンなどのスイーツも人気で、特に女性客や健康志向の人々に高く評価されています。店の雰囲気も木の温もりを感じられる落ち着いた空間で、一人でも気軽に入れるのが嬉しいポイントです。
湯河原のグルメといえば海鮮が注目されがちですが、こうした“和のやさしさ”を感じられる豆腐料理の店も魅力的。車なしでも十分歩いて行ける立地にあり、旅の一コマとして心も体も癒やしてくれる穴場的存在です。
文化と歴史に触れる場所
湯河原美術館
湯河原美術館は、静かで落ち着いた温泉街にたたずむ、小規模ながら非常に味わい深い美術館です。湯河原駅からバスで「美術館前」下車、徒歩1分とアクセスも良く、車なしで気軽に立ち寄れるスポットです。
この美術館では、地元ゆかりの日本画家・平松礼二の作品を中心に展示されており、四季折々の日本の風景や自然美が描かれた作品が並びます。展示室はこぢんまりとしていますが、その分、作品ひとつひとつにじっくり向き合える空間となっています。
また、館内のカフェでは、庭園を眺めながらお茶や軽食を楽しめるのも魅力の一つ。アート鑑賞のあとの余韻に浸りながら、静かな時間を過ごすことができます。湯河原の自然をモチーフにした展示内容は、観光の途中で立ち寄るのにぴったりで、観光客だけでなく、地元の人々からも親しまれています。
温泉地にありながら、文化的な時間を持てるこの美術館は、車なしでゆったりと過ごしたい人にこそおすすめしたいスポットです。
熊野神社
湯河原の守り神として古くから信仰されているのが「熊野神社」です。湯河原駅から徒歩15分ほど、緩やかな坂道を登った先にあるこの神社は、地元の人々に愛され続ける歴史ある場所です。
神社の創建は不明ですが、紀州の熊野三山から分霊されたとされ、古くから旅の安全や商売繁盛、縁結びなどのご利益があると信じられています。境内は自然に囲まれ、四季折々の風景が楽しめるのが魅力。特に春は桜、秋は紅葉が美しく、静かな森の中に建つ本殿の姿はまるで絵画のようです。
石段を上ると立派な鳥居が出迎えてくれ、その先に広がる静かな空間には、どこか神聖で落ち着いた空気が漂います。境内には小さな祠や歴史的な石碑もあり、ゆっくりと巡るのも楽しい時間です。
観光客で賑わうスポットではありませんが、だからこそ味わえる“素の湯河原”がここにはあります。車なしでも歩いて訪れることができる距離感もまた、心を整えるのにちょうどよい時間を生み出してくれます。
西村京太郎記念館
ミステリー作家・西村京太郎の名を冠した記念館が湯河原にあるのをご存じでしょうか?「西村京太郎記念館」は、彼が実際に住んでいた邸宅を記念館として一般公開している施設で、湯河原駅からバスで約10分の場所にあります。
館内には、西村京太郎の原稿や直筆のノート、愛用していた机や本棚などが展示されており、ファンにとってはたまらない空間です。また、彼の代表作である「十津川警部シリーズ」に登場する鉄道模型や資料もあり、文学だけでなく旅や鉄道が好きな人にもおすすめ。
建物自体が静かな住宅街の中にあるため、まるで彼の生活空間をそのまま訪れたかのようなリアルな体験ができます。スタッフの方も親切で、作品や展示について丁寧に解説してくれるため、知識がなくても楽しめます。
湯河原を訪れる際には、温泉や自然だけでなく、こうした知的好奇心をくすぐる文化的スポットにもぜひ足を伸ばしてみてください。
福浦漁港・旧吉浜小学校(歴史的建築)
湯河原の海沿いにある福浦漁港は、古くから続く漁業の町として知られており、観光地化されすぎていない“素顔の湯河原”に触れられるエリアです。湯河原駅からバスで「福浦港」下車、徒歩5分とアクセスも良好です。
港周辺には新鮮な魚介を扱う食堂や直売所もあり、観光地とは一線を画した素朴な雰囲気が魅力。早朝には漁船が出入りし、港町ならではの風景を間近に見ることができます。観光客が少ないため、静かに写真を撮ったり、海風を感じながらのんびり過ごしたりするのに最適です。
近くにある「旧吉浜小学校」は、昭和初期に建てられた木造校舎で、現在は資料館や地域交流の場として活用されています。ノスタルジックな建築美と、時代を感じさせる教室の様子が保存されており、まるで昭和にタイムスリップしたような気分になれます。
地元の人々が大切に守ってきた場所に触れることで、観光地としての湯河原ではなく、そこに暮らす人々の生活や歴史に思いを馳せることができる貴重な体験ができる場所です。
万葉の小径
「万葉の小径(こみち)」は、湯河原温泉街の一角にある、自然と歴史が交差する小道です。全長は約500メートルほどと短いながらも、その道中には『万葉集』の歌碑や石造物が並び、まるで古代の詩人たちと時を共にしているような感覚が味わえます。
小道の入口は湯河原駅からバスで「落合橋」方面へ行き、徒歩でアクセス可能。道沿いには季節の草花が咲き誇り、特に春の桜や初夏の新緑の中を歩くのは格別です。道の途中にはベンチも設置されており、ゆっくり景色を眺めながら休憩できます。
この小径は観光ガイドにあまり大きく載っていないものの、地元の人たちの散歩コースとして親しまれており、静かな湯河原を満喫するには絶好の場所です。忙しい旅程の合間に、ちょっとした時間を使って歩くのにもぴったりです。
湯河原の持つ「文学と自然の融合」を象徴するようなこの道は、派手さはないけれど、心に静かに残る風景を与えてくれます。
公共交通で行ける周辺エリアの穴場
真鶴半島(三ツ石・ケープ真鶴)
湯河原駅からJR東海道本線で1駅、真鶴駅まで約5分、そこからバスまたは徒歩でアクセスできるのが、自然豊かな「真鶴半島」です。特に先端に位置する「三ツ石」は、干潮時に現れる岩場と、太平洋を望む大パノラマが広がる絶景スポットとして知られています。
ケープ真鶴という展望施設もあり、館内にはレストランやギャラリーがあり、軽食やお土産も充実。展望台からの眺めは息をのむほどで、伊豆半島や初島、天気の良い日には伊豆大島までも見渡せます。周辺には遊歩道が整備されており、森林浴やバードウォッチングにも最適です。
真鶴半島は開発が抑えられ、町全体が「魚つき保安林」として保護されているため、手つかずの自然が残されているのも大きな魅力。都心から近いとは思えない静けさに包まれ、心身ともにリフレッシュできます。
車がなくても電車+バスで十分アクセスできるため、湯河原から足を延ばすのにぴったりの“秘境的”スポットです。
箱根湯本(電車で20分)
湯河原から箱根湯本までは、JR東海道本線で小田原経由→箱根登山鉄道で約20分ほどで到着する、箱根観光の玄関口。箱根といえば山のイメージが強いですが、箱根湯本駅周辺は比較的平坦で、車なしでも安心して観光が楽しめます。
駅前には温泉饅頭の名店やおしゃれなカフェ、クラフトビールの専門店など、食べ歩きが楽しいスポットが集まっており、歩くだけでも十分満足できるエリアです。特に「箱根湯寮」は日帰り温泉施設として高い人気を誇り、無料送迎バスで気軽に訪れることができます。
また、徒歩圏内には「早雲寺」などの歴史的建築や、渓谷沿いの自然散策路もあり、温泉地ならではの癒やしと風景が広がっています。箱根の山奥へ行かなくても、駅周辺で充実した時間が過ごせるのが箱根湯本の魅力です。
湯河原から少し足を延ばして、もうひとつの温泉地を味わってみるのも、旅の幅をぐっと広げてくれることでしょう。
根府川の海岸エリア
湯河原駅から電車で約10分の場所にある根府川駅は、相模湾を望む高台に位置する美しい無人駅として鉄道ファンにも人気のスポットです。駅を降りた瞬間に目に入る海のパノラマはまさに絶景。駅から海岸までは徒歩15分ほどで、ゆったりとした海辺の風景が広がります。
海岸沿いには遊歩道が整備されており、天気の良い日には散歩や磯遊び、釣りを楽しむことができます。また、駅周辺にはカフェや隠れ家的なレストランも点在しており、地元の魚介を使った料理を堪能することも可能です。
観光地としてはそれほど知られていないエリアですが、だからこそ混雑も少なく、のんびりとした時間を過ごせる穴場。車なしの電車旅でこそ訪れてほしい、静かで開放感あふれる海辺のロケーションです。
熱海駅周辺散策(バス&電車で楽々)
湯河原駅から電車で約15分で行けるのが、誰もが知る温泉地「熱海」。車がなくても、駅周辺だけで観光が十分楽しめるのがこの町の魅力です。駅ビルの「ラスカ熱海」ではグルメやショッピングが楽しめ、土産物探しにも最適です。
駅から徒歩でアクセスできる「来宮神社」や「MOA美術館」、「熱海サンビーチ」などはすべて公共交通で楽に行ける距離にあり、観光ルートが非常にコンパクト。坂道が多いエリアもありますが、バスやタクシーを併用すれば移動もラクラクです。
特に「サンビーチ」は夜になるとライトアップされ、幻想的な海辺の風景が広がります。昼間の賑やかさとはまた違った、ロマンチックな雰囲気が楽しめます。日帰り温泉施設も豊富で、「大江戸温泉あたみ」などは予約不要で利用可能。
湯河原から少し足を延ばすだけで、大人の観光が満喫できる熱海エリア。車なしでも気軽に非日常を味わえる、人気観光地ならではの“お手軽ラグジュアリー”を体感してみてはいかがでしょうか。
星ヶ山公園さつきの郷(バスで行ける絶景スポット)
最後に紹介するのは、湯河原駅からバスで行ける星ヶ山公園さつきの郷。標高450メートルに位置し、5月下旬から6月にかけて咲き誇る5万株以上のサツキが斜面をピンク色に染める絶景スポットです。
山頂までは路線バスが運行しており、車なしでも安心。特に「さつきまつり」の開催時期には臨時便が増便され、多くの観光客が訪れます。山頂の展望台からは、湯河原の街並みや相模湾、天気が良ければ房総半島まで望むことができます。
また、園内には芝生広場や東屋、ベンチもあり、ピクニック気分でのんびりと過ごせます。ハイキングコースとしても整備されており、体力に自信のある方は歩いて登るのもおすすめです。混雑が比較的少なく、ゆったりと自然と向き合えるのも魅力の一つ。
湯河原の中でも、季節を強く感じられるこのスポットは、車なしで“空に一番近い花畑”を体感できる貴重な場所です。
まとめ:車なしでもここまで楽しめる!湯河原観光の魅力とは?
湯河原観光といえば温泉や自然が有名ですが、「車がないと不便なのでは?」と思っている方も多いかもしれません。実際には、電車やバス、徒歩を駆使すれば、車なしでも大満足の旅ができるエリアです。
自然豊かな万葉公園や不動滝、幕山公園の梅林など、四季を感じるスポットは駅やバス停からのアクセスも良好です。日帰り温泉や足湯が楽しめる温泉街では、気軽に立ち寄れる施設が充実しており、立ち寄り湯だけでも湯河原の温泉文化をしっかり体験できます。
また、海鮮丼や豆腐料理、和菓子といった地元グルメも徒歩圏内に揃い、観光の合間の食事も楽しみの一つ。文化施設や歴史スポットでは、湯河原の奥深い魅力を再発見でき、忙しない日常を忘れてゆっくりと過ごせます。
さらに、真鶴半島や根府川、熱海といった周辺エリアも電車やバスで簡単にアクセスでき、1泊2日や日帰りでも旅の幅を広げることが可能です。
湯河原は“車なし旅”でも、十分すぎるほど充実した観光が楽しめるエリア。自然と温泉、グルメと文化、すべてをバランスよく体験したい方にこそおすすめの旅先です。